三菱自の決算、増収増益でも喜べない現実…益子会長「下半期は慎重に」

自動車 ビジネス 企業動向
三菱自動車本社(参考画像)
三菱自動車本社(参考画像) 全 5 枚 拡大写真

三菱自動車が10月29日に発表した2015年3月期第2四半期決算は、売上高1兆351億円(前年同期比11.4%増)、営業利益627億円(同23.3%増)、純利益609億円(同30.3%増)と増収増益を達成した。しかし、経営陣の顔には笑顔がなかった。

【画像全5枚】

「いま世界で起きていることを考えると、今後の景気については厳しい面があるという認識を持っている。具体的には、米国の量的緩和政策の行方、中国経済の減速、西欧の景気後退懸念、日本経済の回復の遅れ、エボラ熱感染の拡大、イスラム国の問題、ロシア・ウクライナ紛争、新興国経済の陰りと、ちょっと考えただけでもいくつもの問題がある」と益子修会長は話す。

そのため、「下半期については慎重にならざるを得ない」と、通期予想の売上高を期初計画の2兆3000億円から2兆1800億円へ下方修正し、営業利益、純利益は据え置いた。特に深刻なのが、同社が強いタイとロシアの販売の落ち込みだ。タイは10万台から7万2000台に、ロシアは9万1000台から6万8000台に今期の販売計画をそれぞれ引き下げた。

また、日本についても、14万7000台から11万台へ下方修正。この数字はピーク時(1995年度)の『パジェロ』の年間販売台数とほとんど変わらないものだ。当時は年間約82万台売り、「2位の日産の背中が見えてきた」と喜んでいたものだが、今はその面影すらなく最下位に沈んでいる状態だ。しかも、これといった売れ筋の車もなく、存在感は年々薄れてゆく感じだ。

昨年度に累損解消、優先株の処理を果たし、再生を完了した三菱自動車だが、厳しい現実に直面しているといわざるを得ない。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 万能のメルセデスベンツ『ウニモグ』、史上最も豪華なコンセプトカー登場…『Gクラス』の上を行く
  2. ヒョンデの高級車ジェネシス、『G90ウィングバックコンセプト』世界初公開…全長5.1m超の大型ワゴン
  3. 新型ホンダ『CR-V』発表に「おかえり!」「カッコいい」など反響、最注目の価格は…
  4. 洗車で見つけた小キズ、板金いらずのDIY補修術 ~Weeklyメンテナンス~
  5. VWの最廉価電気SUV、『ID.クロス』フルヌード! 日本EV市場の起爆剤となるか?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る