【MINI ワン 試乗】シンプルさが素の魅力を引き立てるベースモデル…島崎七生人

試乗記 輸入車
MINI ワン
MINI ワン 全 8 枚 拡大写真

「R50」やclassicの元オーナーとして「これぞミニ中のミニだ!」と改めて思わせられた。『ワン』は『クーパー』『クーパーS』に続き設定された3ドアモデルのベースグレードだが、やはり“素の味”のよさを実感させてくれる。

前段と矛盾してしまうが、試乗車は市場ニーズも踏まえた広報車のため、16インチホイール&タイヤを始めオプション満載の状態ではあった。個人的には標準の15インチのスチールホイールのままでも構わないし、装備も簡素でもいい。黒の樹脂色風のミラーキャップはスノッブでいい。“大盛り分”を外して見ても、内・外観のデザインとセンスも含めたクオリティの高さは、オーナーを納得させてくれる。多くの日本車とはコストのかけ具合が違うとはいえ、コンパクトカーながら安物感がないのは何といってもいい。

センターディスプレイ(もうセンターメーターとは言わない?)に晴れて収まるようになった純正ナビ、呼吸するように赤い照明が点滅するエンジン始動スイッチなども、心弾むディテール。しつこくて恐縮だが、元R50オーナーとして“帰ってきた場所”に思える室内空間が展開されている。実用コンパクトカーとは一線を画す低めのスポーツカー的なポジションも安心感がある。

交差点を曲がろうとして程よくクイックなステアリングも、ならでは。搭載エンジンは3気筒の1.2リットルのツインパワーターボ(102ps/180Nm)で、活きのいいパフォーマンスを発揮してくれ、アイドリングに落ち着くと、タカタカタカ…と3気筒の素朴な鼓動が少し伝わるのも、かえってベースモデルっぽく好感がもてる。6速ATでもJC08モード19.2km/リットル(MTなら20.2km/リットル)の好燃費も、CVTでやきもきさせられたR50時代に較べ現代的で大きな進化。手放してもまた乗りたくなるのがMINIという定説(!?)は今も変わらない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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