三菱重工、省エネシステム「MALS」採用したばら積み運搬船1番船を完成…CO2を27%低減

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三菱重工が開発した空気潤滑システムを搭載した新型ばら積み運搬船
三菱重工が開発した空気潤滑システムを搭載した新型ばら積み運搬船 全 1 枚 拡大写真

三菱重工業は、省エネ・環境性能に優れるばら積み運搬船の1番船を、技術供与先の大島造船所で完成させ、世界的穀物メジャーの米国アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)に引き渡した。

船は、泡の力で船底の摩擦抵抗を減らす独自の「三菱空気潤滑システム(MALS)」をはじめ、各種の環境技術の採用で、CO2排出量削減効果が従来船比27%減と、目標としていた同25%を上回った。

船は、2011年にADMから住友商事が穀物輸送用として受注した3隻のうちの1番船。三菱重工の設計コンセプトと、MALSなどの環境技術の供与により、大島造船所が建造し、2015年半ばまでに全3隻の引き渡しを完了する予定。

全長が237m、全幅が40m、喫水が12.5mで、載貨重量トン数は約9万5000トン。

造波抵抗を低減する新型船首などを採用したほか、プロペラの前方にフィンを設置し、プロペラボスキャップに特殊な溝を設けることで、主機関の出力を効率よく推進力に変換する。浅い喫水を採用することでMALSによる省エネ・CO2削減効果を追求しやすくしている。

MALSは、ブロア(送風機)を使って船底から吹き出した空気が、細かい気泡となって船底を覆うことで、航行時に水との摩擦を減らすもので、日本海事協会などの支援を受けて開発した。

モジュール運搬船や、フェリーなど、三菱重工が建造した各種の船舶に採用され、燃料消費と環境負荷低減技術として実績を積んでおり、今回のばら積み運搬船で海上運転試験により、MALSが想定どおりの性能を発揮したことが実際に検証されたとしている。

《レスポンス編集部》

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