トヨタ自動車の小平信因副社長は11月5日に開いた決算発表会見で、今期の業績予想の上方修正に関連し「(金融危機前と比較し)為替影響の減益要因は1兆円強あるが、今期は当時と比べても増益を確保できる」と指摘した。
トヨタは同日、2015年3月期の連結業績予想を営業利益で2000億円修正の2兆5000億円(前期比9%増)、純利益は2200億円増額の2兆円(10%増)に見直した。前提為替レートは下期を1ドル105円とし、通期では同104円としている。
小平副社長によると、リーマン・ショック前の業績ピークだった08年3月期のレートは1ドル114円で、今期の前提より10円の円安だった。そのレート差による減益要因が「1兆円強」に相当するが、今期は当時の利益を凌駕して最高益になる。この間の原価改善や設備投資の効率化など、リーマン後の体質改善が成果をもたらしている。
もっとも小平副社長は、期首に豊田章男社長が今期を「意思ある踊り場」と位置付けたことを受け「これからの持続的成長へ向け、なお基盤固めが必要」と、最高益にも慎重な構えを示した。