ウエブサイトでストリーミングで流される
11月7日、世界各国の住宅や事業所に備えられている防犯カメラの画像がインターネットを通して世界中に配信されてしまっていることが報道された。オーストラリア国内でも924箇所に備えられている。
世界7万箇所以上の現場に設置されているこの種の防犯カメラはインターネット・プロトコールを使って送信され、所有者はインターネットでこのプロトコールを使ってカメラの画像を見ることができるが、この画像が世界の誰でも閲覧できる状態になっている。オーストラリアでは事業所、工場、建築現場、個人の住宅などの画像が流されている。このタイプのインターネット・プロトコール・カメラ(IPカメラ)は、CCTV(閉回路TV)と呼ばれる防犯カメラと違って専用の回線を必要とせず、ビデオ・カメラからインターネットに接続して画像をストリーミングで送信している。メーカーの説明によると、IPカメラ所有者が工場出荷時にすべての製品に割り当てられている同じパスワードを変更していないため、工場出荷時のパスワードを知る者なら誰でも覗き見ができてしまう。
この問題が通知されたためにようやく設置している事業所や個人がパスワードを変更し、ストリーミングを停止する処置を取っている。
メルボルン大学のコンピュータ・セキュリティ専門家のスエレット・ドレイファス博士は、「今回の事件はセキュリティ問題を明るみに出したが、もっと気がかりなのは一般市民が常に監視されているのではないかということだ。特定のウエブサイトではなく、まったく見知らない者にその動きを常に監視されているという問題がある」と警告している。また、今回の事件は、個人のデータがいともやすやすと犯罪者の手に渡る可能性があるということをまざまざと見せつけてくれたとして、今後、スパイ・カメラの使用を規制する動きが出てこない限り、ほんとうのプライバシーは保たれないだろうと語っている。(NP)
http://www.abc.net.au/news/2014-11-07/security-camera-footage-from-homes-businesses-streaming-on-web/5875084