【スーパーフォーミュラ 最終戦】中嶋一貴、第2レースを制して2年ぶりの王座獲得

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2012年以来、2年ぶりの王座獲得となった中嶋一貴(12年当時のシリーズ名称はフォーミュラ・ニッポン)。
2012年以来、2年ぶりの王座獲得となった中嶋一貴(12年当時のシリーズ名称はフォーミュラ・ニッポン)。 全 8 枚 拡大写真

全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦「第13回JAF鈴鹿グランプリ」の決勝日(9日)、午後の第2レースは中嶋一貴がポール・トゥ・フィニッシュで制し、2年ぶり2度目のドライバーズタイトルを獲得した。

午後3時フォーメーションラップスタートの第2レースも、天候は雨。全車がレインタイヤでのスタートを選択したため、ドライタイヤでスタートした場合に課されるタイヤ交換義務は事実上、無効化した。アクシデント的な要素や急激な天候の変化等がない限りは、スタートしたらゴールまで28周を走りきりで戦うかたちのレースになる。

ドライバーズチャンピオンの座を争うのは3人。ポールポジションの中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)がランク首位で、6番グリッド発進のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)は1点差、3番グリッド発進のアンドレ・ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が一貴から7.5点差で追う状況である。ロッテラーは優勝が最低条件で、しかもライバル両名の順位次第とかなり厳しいところ。一貴とオリベイラは勝てば自力王座だが、タイヤ交換義務(戦略的要素)がなくなり、しかもグリッドがポールと6位ということを考えると、明らかに一貴が優位だ。

一貴はスタートで首位を守ると、2番手に上がった僚友ロッテラーに対するリードを次第に広げていき、レース後半には約10秒差とした。オリベイラは第1レース同様の好スタートで4番手に上がったものの、その後は順位を上げることができず、レースの流れは確実に一貴戴冠の方向へと流れていく。そして一貴はポール・トゥ・フィニッシュで最終決戦を制して今季2勝目、2年ぶり2度目のタイトルを手中にしたのであった

「スタートをしっかり決めれば、(レースとタイトル争いの)主導権を握れると思っていました」という一貴は、「(第2レース直前の8分間の)ウォームアップ走行でのペースがあまり良くなくて、ちょっと心配はしていたんですが」とも話したが、「(マシン状態は)100パーセント完璧とはいかないまでも、徐々に後ろを離していくことができて、(結果としては)完璧なレースができたと思います」。予選前日に語っていた「チャンピオンらしい終わり方で、チャンピオンを獲りたい」を有言実行したかたちでの、見事な頂点再到達となった。

中嶋一貴は1985年1月11日生まれの29歳で、父親は日本人初のF1レギュラードライバーだった中嶋悟さん(SF参戦中のナカジマレーシング監督)。一貴自身もF1フル参戦経験があり、近年はSF、SUPER GT、WEC/ルマン24時間で活躍している。30歳を前にしたシーズンで2度目の全日本トップフォーミュラ王座を獲得したのは、通算5度の獲得(全日本F2王座を1981、82、84、85、86年に獲得)を誇る悟さんと同じ。また、現SFがフォーミュラ・ニッポンという名称だった1996~2012年含む“近代”において複数回タイトルを獲得したのは、本山哲(4回)、松田次生(2回)に次いで3人目となる。今後のさらなる活躍に期待したい。

第2レース決勝の2位はロッテラー。3位にはロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)が続き、4位はオリベイラ。5位には参戦2年目の若手・平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)が入った。

ホンダ勢最上位は山本尚貴(#1 TEAM 無限)で、6位。トヨタとホンダ両陣営のエンジンが後半戦仕様に切り替わった第4戦以降は巻き返してきたホンダ勢だが、今回は逆戻りしたような戦況に終始してしまった。ホンダが復調傾向にあった第4~6戦は燃料流量リストリクターによる最大燃料流量が90kg/hで、今回はこれがホンダ勢苦戦状況だった第3戦までと同じ100kg/hに戻っていることを考えると、一概には言えないが、そのあたりも一因かもしれない。

なお、今回の最終戦には「第13回JAF鈴鹿グランプリ」というタイトルもかけられており、2レース総合の結果でこれも一貴が獲得した。

SFは来季も全7戦の予定で、4月に鈴鹿サーキットで開幕戦を迎える予定となっている(現状は4月11~12日の予定だが、他のシリーズとの兼ね合い等で、変更になる可能性がある)。

《遠藤俊幸》

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