【SUPER GT 最終戦】GT300ドライバーズチャンピオンは初音ミク BMWの谷口&片岡

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GT300ドライバーズチャンピオンに輝いた、谷口&片岡の#4 BMW Z4。
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16日に決勝日を迎えたSUPER GT最終戦(ツインリンクもてぎ)。GT300クラスでは決勝3位となった#4 グッドスマイル 初音ミク Z4(タイヤはヨコハマ=YH)の谷口信輝&片岡龍也がドライバーズチャンピオンを獲得した。

最終戦決勝レースには23台が参加したGT300クラス。ドライバーズチャンピオン争いはドイツ車3台に権利が残されている状況で、ポイント首位で予選3位の#4 BMWは決勝3位以内なら無条件でタイトル獲得となるが、この週末は苦戦していた。金曜~土曜朝の練習走行では下位のタイムに低迷し、ドライバーふたりも「あきらめムードが出かかっていた」というくらいのチーム状態。予選3位も「試したこともない、賭けのようなセッティング変更のおかげ」(片岡)であり、「驚くような結果だった」(谷口)。ポイントリーダーながら、とても決勝を楽観視できる状況ではなかった。

一方、#4 BMWを9点差で追いかける#11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸&B.ビルドハイム/ダンロップ=DL)は絶好調。ポールを獲った彼らに対し、#4 BMWの片岡は「明日、#11 メルセデスは優勝するだろう。だから自分たちは3位に入らないといけない」と現実な目標を意識したほどだった。

そしてその決勝3位への道は実際に平坦ではなかった。レース後半、#21 Audi R8 LMS ultra(R.ライアン&藤井誠暢/YH)に谷口が3位を脅かされるなど苦闘。前半担当の片岡はピットで、「前半は自分が乗っていただけに状況は分かる。#21 アウディを抑えるのはきついかとも思っていた」が、なんとか谷口が3位の座を守り切り、谷口&片岡がGT300ドライバーズチャンピオンに輝いた。

谷口、片岡ともに2度目のGT300ドライバーズチャンピオン獲得だが、このコンビでの獲得は初めて。いつも記者会見では愉快なコメントを発してくれる谷口はこの日もそうだったが、最終的に同点での獲得というギリギリの結末に、「片岡がいたおかげで、チャンピオンを(獲れました)」と語って言葉に詰まり、涙声で「最高です」と話す一幕もあった。「あれこれ頑張っていたら、神様がご褒美をくれました」(谷口)。

#11 メルセデスは平中とビルドハイムが「完璧」と言葉を揃えるほどのパフォーマンスを発揮して、独走のポール・トゥ・ウインを果たした。しかし#4 BMWとは同点、優勝回数の差でドライバーズタイトル獲得は成らず。GT300チームタイトルは#11 メルセデスが獲得したが、基本的にSUPER GTでは多くの者がドライバーズタイトルを中心に考えて動くこともあり、ここ数年は惜敗が多い平中は「もう2番(という数字)を見るのは私生活でも嫌なくらいで」と無念さを吐露。ただ、チームタイトル獲得については「一年を通じてチーム全体で頑張ってきた結果だと思いますし、(ドライバーズチャンピオン獲得に向けて)一歩前進だとも思うので、前向きに考えたいです」と語っていた。

最終戦の決勝2位は#31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男&嵯峨宏紀/YH)。4位は#21 アウディで、5~6位はメルセデス勢。5位が#10 GAINER Rn-SPORTS SLS(植田正幸&山内英輝/DL)で、6位が#65 LEON SLS(黒澤治樹&蒲生尚弥/YH)。また、ドライバーズタイトル獲得の可能性があったものの、予選で14位だった#7 Studie BMW Z4(J.ミューラー&荒聖治/YH)は、決勝後半に順位を上げるも7位までだった。

SUPER GTの2015年シリーズは4月4~5日に岡山国際サーキットで開幕戦を迎える予定。GT300クラスにはマザーシャシー車の本格参戦も予定されるなど、車種バラエティのさらなる増加と一層の競争激化が期待される。

《遠藤俊幸》

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