【G空間EXPO】来るべき津波災害に備え被害シミュレーション…ゼンリン3D地図とスパコン組み合わせ

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地理空間情報科学に関連した技術を展示する「G空間EXPO2014」ゼンリンブースの様子
地理空間情報科学に関連した技術を展示する「G空間EXPO2014」ゼンリンブースの様子 全 8 枚 拡大写真

地理空間情報科学に関連した技術を展示する「G空間EXPO2014」が11月13日から三日間、日本科学未来館にて開催された。

3D都市モデルデータの活用を推進するゼンリンのブースには、富士通と共同で開発された津波シミュレーションのデモンストレーションが登場。

◆津波シミュレーション、1秒あたり1京回の演算性能をもつスパコン「京」が寄与

東日本大震災では、地震津波の直接被害以外にも多くの複合災害が発生した。南海トラフ巨大地震をはじめとする地震や、それに伴う津波により起きる可能性のある広域複合災害への備えは、日本が直面する地震や津波に関する最重要課題である。その課題への対処として高精度のシミュレーションによる地震や津波の伝わる過程の解明、さらにそれらの発生時における構造物の倒壊や浸水分布、被害分布などの被害予測を行うことが重要である(計算科学研究機構「広域にわたる地震津波の複合災害シミュレーションの開発」より)。

地震がおきた際の津波のうごきを予測するため、今年4月には東北大学と富士通が共同で三次元津波シミュレーターを開発。これは粒子法のアルゴリズムにスーパーコンピュータ「京」の演算性能を融合させたものである。これまでは速さばかりが競われ、“ではそれで何を計算するのか?”という点、活用に注力できていない旨の批判もされたスーパーコンピュータだが、今後現実に存在する課題の解決にむけ、様々にデータを組み合わせることで社会的な貢献が図られようとしているようだ。

◆津波が自分の街にどのような影響を及ぼすか、データ活用で可視化したい

今回ゼンリンはこの三次元津波シミュレーターに、「3D都市モデルデータ」を組み込むことで、津波が、自分たちの街にどういう影響を及ぼすかをイメージさせることに活用できるのでは、と提案する。

展示説明の担当者は「通常はシミュレーションを可視化するときにはなかなかこういう評価ができなかったが、今回京の活用やゼンリンのデータをシミュレーションの計算用のデータ、計算の結果を可視化する際のデータとして活用させる。これによって津波自身のシミュレーションだけでなく、それがどういう風に建物にあたって拡散するかも可視化できるようになっていく」と3D都市モデルデータ活用の利点を説いた。

《北原 梨津子》

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