【トヨタ MIRAI 発表】FCVの主要部品をすべて内製化した狙い

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トヨタ自動車のFCV「MIRAI」
トヨタ自動車のFCV「MIRAI」 全 6 枚 拡大写真

トヨタ自動車が11月18日に世界に先駆けて発表した燃料電池自動車(FCV)『MIRAI(ミライ)』。その主要部品はすべて自社で開発し、製造したものだ。例えば、高圧水素タンクは2000年から開発に取り組み、炭素繊維強化プラスチックを自社の窯で焼いてつくった。

加藤光久副社長はその理由について、「ハイブリッド(HV)の時もそうだったが、部品の内製化に取り組んだ。そういう経験もあって、今回のFCVでも内製化することにした。FCVは革新的な技術が詰まっているので、コストを下げ、性能を上げるためにどのようなカイゼンを行っていくべきか、自分で手を汚さなければわからない」と話す。

HVはその結果、大幅にコストが下がり、手ごろな価格で買えるようになって、累計販売台数が700万を超えるまでになった。FCVでも同じようなことを狙っているわけだが、トヨタが部品の内製化に取り組むのにはもう一つの狙いがある。

トヨタは1989年に広瀬工場をつくって、自動車制御で重要な部品である半導体を製造する決断をした。その時、ある役員は「納入業者にだまされないように適正な価格で買う必要があった。そのためにはまず製造コストを正確にしておくことが大事だ」と話していた。

将来、FCVの量産化が進み、部品を外注することになったとき、製造方法やコストがわかっていれば、部品の納入価格を有利に進められるわけだ。トヨタが部品の内製化を行うのにはしたたかな計算がある。

《山田清志》

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