【MINI クーパー5ドア 試乗】オリジナリティあふれる1台「これは売れそうだ」…諸星陽一

試乗記 輸入車
MINI ハッチバック 5ドア
MINI ハッチバック 5ドア 全 16 枚 拡大写真

モダンMINI3代目に5ドアモデルが登場。現状、用意されるのは136馬力、3気筒ターボの「クーパー」と、192馬力、4気筒ターボの「クーパーS」の2種。注目は3気筒のクーパーだ。

クーパーはオプションがない状態で300万円を切る298万円のプライスタグ。これがクーパーSだと350万円になってしまう。たしかにクルマはいいのだが、MINI…というジャンルで300万円オーバーはどうも高すぎる気がする。もっとも試乗車はさまざまなオプションが装着され、465万5000円というプライスだったので、試乗車をもって直接判断できるものではない。

さて3ドアとはいえども、もはやミニといえるサイズではなくなったMINIに、さらに大きな5ドアである。全幅は3ドアと変わらないがホイールベースを70mm延ばしたうえで、全長を165mm延長。リヤオーバーハングは95mm延ばされている。また全高も15mmほど高い。

クラシックMINIには存在しなかった5ドアだが、世の中の要求には逆らえないのだろう。使い勝手という面からみたら5ドアは3ドアにかなわない。思えば日本でもマーチやハイラックスサーフ、テラノなどは3ドアと5ドアを用意していたが、いつの間にか3ドアは消滅し5ドアのみのラインアップとなった。スタイルや乗り味としては素晴らしさを示す3ドアだが、後席への乗りやすさや荷物の積みやすさ、容量などを考えた場合は軍配は5ドアに上がる。

クルマは少しでも格好良くあるべき、クルマは少しでもハンドリングがよくあるべき、クルマは少しでも軽くあるべき、オーバーハングが長いなどもってのほか…という論調だとこのMINI5ドアは酷評となるだろう。しかし、クルマの役割はそれだけではない。多くの人が乗れることや、しっかり荷物を積めることもクルマに課された大事な役割だ。

MINI5ドアのリアシートに乗ってみると、なるほどしっかりとした広さを確保しているし、ラゲッジルームの使いやすさもいい。じつに実用的なクルマに仕上げられている。それでいて、見た目はまがいもないMINIであり、走らせてもMINIらしいゴーカートフィーリングを楽しめる。

クーパーSに比べるとパワー的には劣る仕様だが、パッケージングや車格とのマッチングを考えるとこのクーパーのパワーユニットがベストマッチ。オプションで装着されていたドライビング・モードの切りかえによる性格の変化も十分に楽しい。

おしむべきは試乗車がオプション満載だったこと。できることなら、なにもオプションが装着されてない、素のクルマでその性格を確かめてみたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. “夏ドライブ”の快適性を上げる、便利アイテム2種5品[特選カーアクセサリー名鑑]
  5. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る