2014年8月にモデルチェンジしたフォルクスワーゲン『ポロ』。遅れていた『クロスポロ』のモデルチェンジ版が11月に登場、試乗の機会を得た。
クロスポロに搭載されるエンジンは90馬力の1.2リットル4気筒ターボ。1.2リットル程度の排気量だと3気筒エンジンとなることが多い昨今、4気筒に乗るとやはりしっかりとした安定感があって良い。エンジン回転にスムーズさがあって不安を持たずに運転できる。
クロスポロに採用されているミッションはスタンバイ・ツインクラッチ方式のDSGで、その変速スピードとスムーズさは定評がある。1.2リットルのコンパクトカーには贅沢すぎるような設定のミッションだが、使ってみると「これは欲しいなあ」と感じるもの。クルマ好きはこのDSGに大きな魅力と満足を感じることができるだろう。
ポロの標準タイプともいえるコンフォートラインは、185/60R15サイズのタイヤを履くが、クロスポロは215/40R17というかなり立派なサイズのタイヤを履く。コンフォートラインに比べて車高が30mm、最低地上高が15mm高く設定されているクロスポロは、サスペションストロークもしっかりとあるため、このタイヤを上手に履きこなしている。5ナンバーサイズのコンパクトカーだが長距離移動も苦にならない足まわりを持っている。
今回のマイナーチェンジではアイドリングストップ機構が採用され、JC08モードではマイナーチェンジ前の16%アップとなる21.9km/リットルの燃費を実現。先行車両への追突の危険を回避、軽減するフロントアシストプラスや、30km/h未満で緊急ブレーキが作動するシティエマージェンシーブレーキも装備する。
じつはこのクロスポロ、駆動方式はFFで4WDではない。ただし前後バンパーやルーフレールなどは専用品が装着され、スタイルはSUVらしいテイストを出している。ちょっと遊び心のあるスタイリングを持つコンパクトで、実はしっかりした内容のものが欲しいという人がターゲットユーザーだ。
メーカー希望小売り価格は275万円。バイキセノンヘッドライトやアダプティブクルーズコントロール、ナビなどを装着すると300万円オーバーとなる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。