「2015年は“北陸ブーム”が来る」…2014ヒット商品ふまえ楽天が分析

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2014楽天市場ヒット商品番付
2014楽天市場ヒット商品番付 全 10 枚 拡大写真

 「2014 楽天市場ヒット商品番付」が25日、発表された。その年の楽天市場でよく売れた商品、人気が急上昇した商品などを番付表としてまとめたもので、雑誌や広告代理店あるいはシンクタンクなどが発表するヒット商品ランキングとは、また違った世相を見せてくれる。

 今年の横綱は東「アナと雪の女王」、西「妖怪ウォッチ」と順当なランキングながら、「駆け込み需要(東:大関)」「レモンブーム(東:前頭)」「進化系レイングッズ(西:期待株)」など、ネットショップならではの項目もある。楽天では、2009年からヒット商品番付を発表しているが、どのようにしてランキングを決めているのか、その狙いは何か。楽天、楽天市場事業PR推進部広報グループの三浦美穂氏に話を聞きつつ、今年の世相を振り返ってみよう。

 楽天のヒット商品番付は、社内の各部署選抜のエキスパートらが組織するプロジェクトチームの審査により決定しているが、選出の基準となるのは楽天市場での売れ行きデータだ。売上金額や個数だけでなく経年での伸び率や話題の新商品など、その年の秋ごろまでによく売れた商品やトレンドを反映した商品が選ばれている。売れ行きなどの集計期間は、2014年であれば1月1日から9月24日までとなっている。

 ヒット商品番付を発表する狙いは「1億5000万もの商品が年間で1兆円以上取引されている楽天市場において、消費動向を振り返ることでその1年のトレンドに関する情報発信をするという狙いがまずあります」(三浦氏)とのことだ。トレンド情報は、消費者だけでなく店舗やマーケティング関係者にとっても販売戦略立案などの参考にもなっているという。

 まず、東西横綱の「アナと雪の女王」と「妖怪ウォッチ」は説明するまでもないだろう。映画やテレビアニメのヒットにより、DVDや関連グッズの売り上げが伸びた。楽天市場で売れた商品には「アナ雪」のコスチュームもあるといい、これはハロウィンの仮装パーティーの影響もある(三浦氏)という。仮装の衣装などは、専門店を探したり足を運ぶより、通販のほうが複数の店舗を利用できるので揃えやすいのだろう。楽天市場ならではの動きといえる。

 また、サッカーワールドカップ(サッカーの祭典:東大関)やフィギュアスケート、テニスなどスポーツ分野でも国際大会がいくつも話題になり、「若手アスリートの活躍」(西大関)が消費にも影響を及ぼしたようだ。ブラジル関連商品(コーヒーやボサノバ音楽)やテニス用品など、関連商品が売れたのも2014年の特徴だ。テニス用品では、子ども向けの用品やグッズに動きがあったという。錦織選手人気で、テニスを習いたいと思った子どもや、習わせたいと思った親が増えたと三浦氏は分析する。

 「駆け込み需要」(東関脇)は、消費税アップの影響だが、Windows XPのサポート終了と相まってPC、家電製品の売れ行きがよかったそうだ。また、水やコンタクトレンズなど保存のきく日用品、消耗品の動きも多かった。

 「レモンブーム」(東前頭)は、万能調味料として「塩レモン」がテレビなど取り上げられ話題となり、国産レモンや製品としての塩レモンがよく動いたためのランクインだ。調味料つながりで各種の「ご当地ポン酢」も盛り上がったといい、楽天市場ではポン酢の特集ページを作って対応した(三浦氏)ほどだ。ご当地名産品や取り寄せは通販ならではの強みであり、全国の名品や希少品が一覧できるのもネットモールの便利なところだろう。

 2014年の番付の主なトピックをいくつか拾ってみたが、全体の傾向を三浦氏に総括してもらった。

 「大きかったのはやはりアナ雪と妖怪ウォッチです。アナ雪は映画終了後もグッズやDVDなど売れていますし、妖怪ウォッチは大人まで楽しめる番組として人気が続いています。スポーツのビッグイベントも日本人選手の活躍が市場を活性化してくれた形です。錦織効果は『のどぐろ』のような埋もれていた高級食材の消費にも目を向けてくれました。キャラクターブームはキャラ弁からキャラクターケーキなどの商品にも飛び火しています」

 「塩レモンのようなサプライズもありましたが、楽天市場では健康食品、美容関連グッズ、健康グッズなどは定番ジャンルのひとつです。これらの商品では、店頭や一般の通販より、双方向であるネット通販のほうが、レビュー情報や販売元への問い合わせがしやすいといった特徴が、消費者に評価されていると思います」

 三浦氏は、2015年のヒット商品予想について「難しい」としながらも、北陸新幹線の運行が開始されることで、今年の期待株にランクインした北陸ブームがさらに動く可能性を示唆した。また、食品表示のルールが変わることでグルメ商品の動きに影響がでるかも注目しているという。このところヒットが続いているNHKの朝ドラマ、および大河ドラマも、ご当地名産品や関連商品に要注意とのことだ。

 なお、2013年の番付では「ハロウィン文化の定着」がランクインしたそうだが、2014年はハロウィン市場がバレンタイン市場を越えている。ネット通販のトレンドが全体的なトレンドに直結した例といえるだろう。消費スタイルが変わる中、マーケッターやバイヤーは、楽天市場ヒット商品番付などネットショッピングの動向チェックは欠かせなくなりそうだ。

ネット時代の商品番付から見る2014年の世相……楽天市場担当者に聞く

《中尾真二@RBB TODAY》

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