米国の自動車大手、フォードモーターは12月3日、タカタ製のエアバッグインフレーターの不具合によるリコール(回収・無償修理)を、米国で拡大すると発表した。
このリコールは、タカタ製エアバッグのインフレーターの不具合が原因。ガス発生剤の成型工程や成型後の吸湿防止措置が正しく行われず、密度が不足したガス発生剤が組み込まれた可能性がある。これにより、エアバッグ展開時にインフレーター内圧が異常上昇。インフレーター容器が破損して飛び散り、出火や乗員が負傷する恐れがあるというもの。
タカタ製エアバッグの不具合は、フロリダ州など、気候が高温多湿な地域で起きやすいとされていた。しかし、これらの地域外でも、5件のエアバッグ不具合が報告されていたことが判明。米国NHTSA(運輸省道路交通安全局)は11月、タカタおよび自動車メーカー数社に対し、詳細な調査情報を要求すると同時に、リコールを全米に拡大するよう求めていた。
今回のフォードモーターの対応は、NHTSAの指示を受けた形。米国でおよそ3万8500台を追加リコールするなどして、タカタ製エアバッグ関連のリコール台数を、およそ9万8000台に拡大する。
なお、追加リコールの対象車種は、2004-2005年モデルのフォード『レンジャー』、2005-2006年モデルのフォード『GT』などとしている。