【MVアグスタ ブルターレ800 ドラッグスターRR 試乗】見た目と走りが相まった“上級型”…和歌山利宏

モーターサイクル 新型車
MVアグスタ ブルターレ800 ドラッグスタRR
MVアグスタ ブルターレ800 ドラッグスタRR 全 28 枚 拡大写真

MVアグスタのネイキッドモデル『ブルターレ800』の派生モデルとして、2014年初頭に『ブルターレ800 ドラッグスター』が登場したばかりだが、今回、これらブルターレ800とドラッグスターの両モデルに『RR』というハイエンドバージョンが登場した。日本では2015年2月に発売予定である。

まず、目を引くのが、上質感が際立つスタイリングである。特にドラッグスターRRはスポークホイールを履き、しかも後輪は片持ちのため、スポーク取り付け位置がオフセットされ、インパクトがある。

走りも、見た目のインパクトを裏切らないエキサイティングさで、エンジンは、最高出力が標準型の125hp/11600rpmから140hp/13100rpmに高められている。

ただ、スペックを見れば高回転高出力型になった印象を受けるが、決してそんなことはない。全域がこれまでよりもスムーズに繋がり、扱いやすいのだ。つまり、標準型と同等かそれ以上の中回転性能のうえに、プラスアルファとなる高回転域の伸びが加わっているというわけだ。

RRのエンジンは『F3 800』と同様に、スロットルボディが大径で、ツインインジェクション化された。またエアボックスやマフラーにも変更が加えられ、電子制御にも改良が加えられている。

さらにRRは、オートシフターがシフトアップだけでなく、シフトダウンでも作動するタイプに進化。クラッチもスロットルの操作も必要なくシフトダウンでき、採用されたスリッパークラッチと相まって、ブレーキング時のシフトダウンで威力を発揮してくれる。

より高次元な走りを可能としてくれるので、ブルターレに対するドラッグスターの個性もより浮き彫りにされる。

リアに200サイズのタイヤを履いたドラッグスターは、相対的にフロントタイヤが細く、舵角が付きやすいが、それを生かすには、しっかりフロントに荷重し、タイヤに仕事をさせないといけない。ダイナミックに前荷重し、アグレッシブに乗らないといけないのだ。

それからすると、ブルターレは普通のネイキッドという感じで、誰にでも馴染みやすいと思う。MVアグスタは見事にキャラクターを造り分けているのである。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
快適性:★★★★
タンデム:★★★
オススメ度:★★★★

和歌山利宏|二輪ジャーナリスト
1954年生まれ、1975年にヤマハ発動機に入社し、様々なロードスポーツバイクの開発に携わり、テストライダーも務める。また、自らレース活動も行ない、鈴鹿8耐第5回大会では4位入賞の成績を持つ。現在は二輪ジャーナリストとして執筆活動、ライディングインストラクターなど多方面で活躍中。

《和歌山 利宏》

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