東レは、イタリアのサーティから欧州での炭素繊維織物・プリプレグ事業を買収することで基本合意したと発表した。
東レは2015年1月に、サーティのミラノ工場の資産を引き継ぎ、100%出資する子会社「コンポジット・マテリアルズ・イタリア」(CIT)として事業を開始する。
東レは、欧州ではフランスの子会社東レ・カーボン・ファイバーズ・ヨーロッパ(CFE)がPAN(ポリアクリロニトリル)プリカーサ(焼成前原糸)から一貫で炭素繊維を製造する事業を展開している。加えて、ドイツの子会社ユーロ・アドバンスド・カーボン・ファイバー・コンポジット(EACC)とACE・アドバンスド・コンポジットが、炭素繊維織物を使用したCFRP部品事業を展開している。
今回のイタリアでの事業買収により、川中にあたる中間基材事業拠点を欧州に確保、一貫した自社サプライチェーンを構築して、グループの欧州における炭素繊維複合材料事業の基盤を強化する。
サーティの炭素繊維織物・プリプレグ事業は、CFEをはじめとする東レグループ炭素繊維と取引関係にあり、特に、高級自動車分野では、後発ながら、顧客の要求にスピーディに対応することで市場から高い評価を得ているとしている。
今後、東レグループの持つ技術をCITに移転するとともに、グローバル販売チャネルを活用して、事業拡大を図る。