【ダンロップ 試走会】ランフラットタイヤ以外にも適用可能な「メタルコア工法」

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メタルコア工法はランフラットタイヤ以外もOK
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ダンロップの『SP SPORT MAXX 050 NEO』は、メタルコア工法という新しい工法による国内市場初となるタイヤだ。特徴は真円性と精度の向上、高剛性と静粛性にある。先月住友ゴム工業の岡山テストコースで開催された試走会で、住友ゴム工業の広報担当者や開発担当者らに話を聞いた。

050 NEOはランフラットタイヤとして開発されている。メタルコア工法は、板ゴムを丸く張り合わせ成形する従来工法とは異なり、タイヤの空気部分に相当するメタルの芯に細い帯状のゴムを巻き付けながら生成していくものだ。張り合わせによるバランスのずれをなくしたり、成形の精度を上げることができ、巻き付け方で部分的な剛性や硬度の調整も可能だ。

通常の成形より手間がかかりそうだが、工場はすべて自動化されむしろ従来工法より効率はいいそうだ。従来工法では、ゴムの層を重ねるとき、板ゴムの継ぎ目(といっても分子結合させている)が同じ位置にならないように手作業で調整することがあるという。メタルコア製法はジョイントレスでタイヤを成形していくので、そういった手間がかからない。また、板ゴムを広げるスペースが必要ないため設備そのものがコンパクトになるという。

メタルコア工法は、もともとはファルケンが欧州で展開している『FK413』というランフラットタイヤで採用されたものだそうだ。欧州市場ではこの製法によるタイヤは市販されているが、日本では、ダンロップの050 NEOが初の投入となる。

新しい工法のため、製造コストの面でもランフラットタイヤでの採用となっているが、製法自体はどんなタイヤにも適用できる。住友ゴム工業としては、スポーツタイヤ、SUV用タイヤ、エコタイヤなどへの展開も考えているが、現状では普及モデルの価格設定での製造は難しいとのことだ。

試走したフィーリングでは、路面状態さえよければ静粛性は同社の高級タイヤである『VEURO』シリーズに匹敵する。コーナーやレーンチェンジでの安定感や剛性感がしっかりしているものの、乗り心地もまずまずだ。剛性と乗り心地の両立は、メタルコア工法によるサイドウォールの最適化や真円性の向上による。こういった味付けやチューニングが可能なら、ぜひ他のタイヤにも応用してほしいところだ。

《中尾真二》

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