コンチネンタル、LEDヘッドライト用制御ECUを全車両クラス向けに開発供給

自動車 ビジネス 企業動向
メルセデスベンツ用に供給中にLEDヘッドライトのECU
メルセデスベンツ用に供給中にLEDヘッドライトのECU 全 11 枚 拡大写真

コンチネンタルは、12月に開催された技術説明会で、全車両向けにLEDヘッドライト用の制御システム(ライトコントロールユニット)を開発し、全車両クラスへの供給体制を整えたことを発表した。

現在、世界的にLEDをヘッドライトに採用する車種が急速に増えている。それは、光源が太陽光に近いために自然な光源として安全上でもメリットを生み出し、しかも消費電力が少なく、長寿命でもある。また、設計の自由度が高いために、ボディデザインにマッチしやすいという特徴も持つことが評価されているからだ。

とはいえ、現時点ではコストの関係もあって、LEDヘッドライトはおおよそDセグメント車以上の車両に搭載されているにとどまる(日本では軽乗用車にも搭載)。しかし、近い将来はローエンドの車両にも幅広くLEDが採用されていくことも想定される。コンチネンタルはそうした時代を見据え、いち早くLED用のライトコントロールユニットを全車両クラスに対応できる供給体制を整えたというわけだ。

コンチネンタルのライトコントロールユニットシステム開発でリーダーを務めるマクシミリアン・アウステラー氏は、「ハロゲンは価格面での優位性があるため、下降線をたどりながらも一定のシェアを維持するが、一方でキセノンは数年後に間違いなくLEDに取って代わられる」と今後の需要を予測。とくに「キセノンは高電圧であるために単価を下げることが難しく、これはLEDの優位性につながる」とする。

さらにアウステラー氏は、「LEDが持つ“多彩な機能”を踏まえると、今後の成長性を見込めるのはLEDだけ。そのために、すべての車種に対応できるLEDの制御システムの開発が必要と考えた(アウステラー氏)」と、今回発表した供給体制の意義を述べた。

この“多彩な機能”とは、LEDのマルチ光源がもたらす『スマートヘッドライト機能』のことだ。市街地では歩行者や物などに光を当てて浮かび上がらせ、悪天候時や真っ暗な夜道では視界を高めるための配光を行うことができる。また、常にハイビームとしながら対向車のみに防眩効果を発揮する“防眩ハイビーム”にも発展させることもLEDなら可能だ。また、アウステラー氏によれば、カーナビや道路施設と連携して最適な照射を自動的に行う「予測ライト機能」の実用化領域に入っているという。

ただ、これらはすべてLEDのマルチ光源によって実現できるもので、そのためには高度なライトコントロールユニットが欠かせない。コンチネンタルはそのために、車載カメラが状況を自動認識して内部のステッパーモーターがエレメントを動かす「アダプティブ・ライト・コントロールユニット」を開発。コンチネンタルではこのユニットを、今後OEM先の仕様に応じて搭載を進めていく計画だという。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. FJクルーザー が復活へ…トヨタ『ランドクルーザーFJ』最終デザインはこれだ!
  2. なぜ今「ダウンサス」? 車高調より安くて“扱いやすい”注目チューンの実力~カスタムHOW TO~
  3. ランドローバーが『ベイビーディフェンダー』発売ってほんと? これが市販デザインだ!
  4. ポイ活主婦に自動車税の納付の仕方を聞く…キャンペーンで全額還元・ポイントで0円払いもできる!
  5. YURTの『シエンタ』用車中泊キットが大幅アップデート、生産体制見直しで8万円値下げも実現
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
  2. AI家電を車内に搭載!? 日本導入予定の新型EV『PV5』が大胆なコンセプトカーに
  3. AI導入の現状と未来、開発にどう活かすか? エンジニアの声は?…TE Connectivityの独自リポートから見えてきたもの
  4. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  5. BYDが「軽EV」の日本導入を正式発表、2026年後半に
ランキングをもっと見る