泥酔状態での死亡ひき逃げ、被告に懲役10年の実刑判決

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昨年7月、埼玉県川口市内で乗用車を飲酒運転中にバイクへ追突する事故を起こし、約1.3kmに渡ってひきずって運転者を死亡させたとして、危険運転致死傷やひき逃げの罪に問われた26歳の男に対する判決公判が1月29日、さいたま地裁で開かれた。裁判所は懲役10年の実刑を命じている。

問題の事故は2014年7月12日の午後10時ごろ発生している。川口市安行領根岸付近の県道(片側1車線の直線区間)で、後ろから蛇行しながら進行してきた乗用車が信号待ち車列に対して突っ込んできた。最後部に位置していた原付バイクを運転していた65歳の女性は衝突の弾みで路上へ投げ出されたが、クルマは女性を底部に挟み込んだまま逃走。女性は約1.3km先で発見されたが、全身強打でまもなく死亡した。

クルマは走り去ったため、警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始したが、翌朝になって同市内に在住する26歳の男が出頭。容疑を認めたことから自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)で逮捕したが、事故当時は泥酔に近い状態だったことが後に判明。別のクルマの運転者も軽傷を負っていたことから、検察は罪状を危険運転致死傷とひき逃げに切り替えて起訴していた。

1月29日に開かれた判決公判で、さいたま地裁の河本雅也裁判長は、被告の男が事故の約5時間前から大量の飲酒を行い、事故直前には約55km/hでクルマを走行させていたと認定した。

その上で裁判長は「酒酔いの度合いは尋常ではなく、危険運転の中でも重い部類に入る。自己保身に汲々としていて悪質」としたが、一方で「飲酒運転の常習性は無かった」と認定。罪の一部を斟酌し、被告に対して懲役10年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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