【マツダ CX-5 試乗】FWDと4WDどちらも可、用途に合わせて自由に選べる…吉田匠

試乗記 国産車
マツダ CX-5
マツダ CX-5 全 16 枚 拡大写真

今や街でけっこう見掛けることの多いマツダ『CX-5』、そのマイナーチェンジ版に横浜で試乗した。変更の内容は、エクステリア、インテリア、「アダプティブLEDヘッドライト(ALH)」などの先進安全装備、サスペンション、パワートレインと多岐にわたる。最初に乗ったのはディーゼルターボエンジン搭載のFWD=前輪駆動の中間グレード「XD PROACTIVE」だった。

【画像全16枚】

フェイスリフトによる細部の変更を含めて、エクステリアもインテリアも質感のよさを感じさせるし、マツダらしさがありながらデザイン過剰でないところもいい。中間グレードである試乗車のシートはクロス張りだったが、表面近くのクッションがソフトで、体を包み込むような感触が印象的だった。高振動吸収ウレタンを新採用するなどした結果だろう。SUVらしくやや高めのドライビングポジションも、自然な感じに決まった。ちなみにリアシートやラゲッジルームのスペースも、充分に確保されている。

走り出してみると、2.2リットルのディーゼルターボエンジンと6速ATの組み合わせが軽快な加速を生み、気持ちよく走る。175psのパワーもさることながら、42.8kgmのトルクが、1560kgという、このクラスとしては抜群に軽い車重に、グーンと活力を与えるからだ。しかもこの仕様は17インチタイヤが標準なことも幸いして、乗り心地は快適だし、ハンドリングに軽快感があるのも好ましい。

というわけで、FWDの中間モデルは都会で普段乗りするのに好ましいモデルだと実感したものの、SUVだったら道を選ばず、状況を選ばず走りたい、という思いも理解できる。実際、自分がSUVを手に入れるとしたら、やっぱり4WDの万能性がないと物足りないと思うはずだ。そこで今度は、ターボディーゼルの4WD、「XD L Package」に乗ってみた。

これは車重1640kgと、前のモデルより80kgほど重い。したがって、加速の軽快感ではFWDモデルに若干引けを取るものの、いずれにせよ踏み込んだときの力強さは充分。それだけに、できればシフトパドルが欲しいと思ったのは僕くらいだろうか?

サスペンションは基本FWDと変わらないが、この仕様は19インチタイヤが標準になる。けれど、それによるバネ下の重さを明確に意識させることなく、フラット感のある乗り心地がキープされている。それに加えて、クルマの個体差によるものか、FWDと4WDの違いによるものかの判定は難しいが、FWDの試乗車で感じたステアリング中心付近の落ち着きのなさが排除されていて、4WDの方が操舵感がよりスッキリしていたのも好ましい。

つまりCX-5、FWDにも4WDにもそれぞれ長所があるが、自分が想定する用途に応じて、どちらかを選べばいいのではないか。いずれも基本は好感の持てるクルマに仕上がっていたからだ。同カテゴリーのなかでプライスがかなりリーズナブルなのも、ポイントが高い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★☆

吉田 匠|モータージャーナリスト
1947 年生まれ。子供の頃からのクルマ好きが高じて、青山学院大学卒業と同時に自動車専門誌『CAR GRAPHIC』の編集記者としてニ玄社に入社。同誌ではスポーツカーのロードテストなどを主として担当し、ヒストリックカー、ツーリングカー、FJなどのレースにも参戦、優勝経験もけっこうあり。後にフリーランスのモータージャーナリストとして独立。自動車専門誌や一般誌に記事を執筆し、今日に至る。旧いクルマに造詣が深く、愛車の一台は1962年ポルシェ356B。

《吉田匠》

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