岩谷産業と関空、燃料電池事業を加速…一般FCV向け水素スタンドも

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岩谷産業が関西国際空港に斬新なデザインを採用した水素ステーションを新設へ(イメージ図)
岩谷産業が関西国際空港に斬新なデザインを採用した水素ステーションを新設へ(イメージ図) 全 3 枚 拡大写真

岩谷産業は、関西国際空港内で使用する燃料電池フォークリフトに水素を供給する設備を設置したと発表した。また同社は、燃料電池自動車向けに、空港に隣接した水素ステーションを日本で初めて整備することも決定した。

これら事業は、新関西国際空港が推進している「スマート愛ランド構想」のひとつである「水素グリッドプロジェクト」の一環で、新関西国際空港、豊田自動織機、トヨタ自動車、大阪府とともに空港における水素サプライチェーンモデルの構築を目指して進めているもの。

岩谷産業は、環境省の「2014年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」で採択された「燃料電池フォークリフトの実用化と最適水素インフラ整備の開発・実証事業」に参画、水素供給設備の開発・関西空港への設置を担当した。

燃料電池フォークリフトに対して、今回導入した水素供給設備は、圧縮水素をシリンダーで輸送して供給するオフサイト方式を採用。シリンダー内の圧縮水素は15MPaで、これを圧縮機で40MPaまで昇圧し、蓄圧器で貯蔵後、高圧水素ディスペンサーでフォークリフト内の水素貯蔵タンク圧力との圧力差を利用して充填する。供給設備の設置費用は約6000万円。

岩谷産業は、今回完成した小型水素供給設備による実証試験などを通じ、本格的な水素エネルギー社会の到来を見据え、効率的、低コストな設備を構築していく。

また関西国際空港は、2016年から燃料電池フォークリフトの本格導入を進める予定で、2016年度末をめどに液化水素による大規模水素供給システムの構築を目指している。

一方、燃料電池自動車向けに新設する水素ステーションは、翼をイメージしたキャノピー(屋根)と、垂直に伸びる液化水素貯槽タンクという斬新なデザインを採用する。国内空港に商用水素ステーションが設置されるのは初となる見通し。

燃料電池車や燃料電池バスへの水素充填に加え、燃料電池自動車や水素関連技術も展示するショールーム機能も併設する予定。

ステーションは、岩谷産業の液化水素製造拠点であるハイドロエッジからローリーで輸送した液化水素を、燃料電池自動車に供給する「オフサイト方式」を採用する。

岩谷産業は、今回の関西空港も合わせて、2016年3月末までに、全国に20カ所の水素ステーションを建設する予定。

《レスポンス編集部》

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