マツダのMr.エンジンが明かすSKYACTIVへの道…答えは必ずある

モータースポーツ/エンタメ 出版物
「答えは必ずある」著:人見光夫(発行:ダイヤモンド社 価格:定価1500円+税)
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「答えは必ずある」著:人見光夫
発行:ダイヤモンド社
価格:定価1500円+税

企業の再生ストーリー、テクノロジーの開発秘話、組織リーダー論、ビジネスパーソンへの啓発…といった具合に、一筋縄でいかない多くの楽しみや学びをもたらす本に仕上がっている。著者は社内で「Mr.エンジン」とも呼ばれるマツダの常務執行役員。同社の新世代技術群「SKYACTIV」のガソリンおよびディーゼルエンジンを送り出した立役者である。1979年の入社後はほぼ一貫してエンジンの先行開発に従事、成果が世に出る商品開発部門とは距離のある仕事に悶々と過した日々も振り返っている。

会社自体もバブル崩壊後の経営危機や2000年の希望退職募集などといった苦境が続いた。そうした中でも、「自分の得意な領域では、答えが必ず導き出せるはず」と取り組んできたとし、タイトルにもなっている。電動技術を使わないエンジンだけの伝統的なパワートレインでは、ダウンサイジングターボで欧州メーカーが先行してきたが、SKYACTIVはコスト面も実用燃費性能も「負けないと確信している」と指摘する。20年ほど「過給エンジン」の開発にも従事した経験がある著者だけに、ターボでなくシンプルなエンジンに挑んだ必然も伝わってくる。

著者には1度だけ共同取材しただけだが、洒落ではなく「人見知り」もするシャイな方だ。謙虚でもある人見さんが、本書の「おわりに」で、日本の自動車業界に論旨こう呼びかけている。「自分たちのクルマやサービスに関して日本人の美徳である『品格』や『おもてなしの気持ち』を込めていきませんか。これを追求すれば絶対、他国に負けない日本のよさが伝わると思っています」。自動車に限らず日本の産業に普遍性をもったメッセージである。

見出しより…序章 答えは必ずある●第1章 マツダ存続の危機●第2章 「できない」とは言わない●第3章 強烈な反骨心でソリューションを探る●第4章 俯瞰し、問題点を見抜く力●第5章 答えはいつだってシンプルである●第6章 常に全体最適を考える

《池原照雄》

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