サッカー日本代表監督の人選固まる…前アルジェリア代表監督が有力

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バヒド・ハリルホジッチ氏(c)Getty Images
バヒド・ハリルホジッチ氏(c)Getty Images 全 3 枚 拡大写真

前アルジェリア代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏を軸に、ようやく候補が一本化される情勢を見せてきた次期日本代表監督人事。ハビエル・アギーレ前監督が電撃解任されてから3週間あまりの間に、事態は尋常ではない動きを見せてきた。

日本サッカー協会の技術委員会が臨時の会合を開き、後任候補を5人前後に絞ったのが2月6日。それよりも前の段階からスポーツ紙は異なる候補者を連日のように報じ、最終的な人数は10人を軽く超えた。

その一方で、ヨーロッパからは「日本代表監督就任を打診されたが断りを入れた」とするニュースも伝わってくる。すべてが事実ならば百花繚乱というよりは、迷走あるいは錯綜していると表現したほうがいい。

■代表監督人事は情報戦

しかしながら、実情は大きく異なる。技術委員長としてアルベルト・ザッケローニ元監督とアギーレ前監督の招聘に奔走し、現在はナンバー3の専務理事職に専念している原博実氏が、騒動の渦中でこうぼやいたことがある。

「声をかけていないのに断ったとか言う人が出てくるし、情報戦なんですよ。それだけ日本のサッカーが認知されていることの証しなんですけどね」

たとえば、前イタリア代表監督のチェーザレ・ブランデリ氏。霜田正浩技術委員長が候補者サイドとの下交渉や情報収集のために渡欧したのは2月8日だったが、それよりも前に日本サッカー協会から受けたオファーを断ったとイタリアのANSA通信が伝えている。

「とても光栄だが、就任できないと言わざるを得ない」

ブランデリ氏は即答を求められたために断念したとされているが、これらのコメントを鵜呑みにすることはできない。技術委員会内で名前が挙がったのは事実だが、アギーレ前監督の八百長疑惑の反省に立って実施した「身体検査」の結果、リストに掲載されることなく立ち消えになったのが真実のようだ。

■“エアオファー”を活用するのは常套手段

ならば、イタリア発でブランデリ氏のコメントがなぜ発信されたのか。あるサッカー関係者は「代理人がからんでいる」と複雑怪奇な舞台裏を明かす。

「自分のクライアントの名前を出して、『代表監督として声がかかっていますよ』と価値をあげるためにアピールするのは代理人の常とう手段。情報に接した他のナショナルチームやクラブチームが触手を伸ばしてくる可能性も生まれるし、そのときには交渉で有利な条件を引き出せるかもしれない。いろいろな駆け引きが繰り広げられているわけです」

ブランデリ氏の場合は、自身のいわゆる「黒い噂」を先んじて封じ込める狙いもあったのだろう。前インテルミラノ監督のワルテル・マッツァーリ氏、元イングランド代表監督のグレン・ホドル氏も相次いで「要請を断った」と報じられたが、これらも“エアオファー”の可能性が極めて高い。

候補者のなかにも「なぜ」と、浮上してきて経緯に首をかしげたくなる人物が少なくない。たとえばデンマークサッカー界の往年のスパースター、ミカエル・ラウドルップ氏は代表チームを指揮した経験がなく、監督を務めたクラブの規模もすべて中堅以下。現在は中東カタールのレフウィヤSCを率いている。

それでもスポーツ紙上で名前が報じられ続けている背景には、ラウドルップ氏と日本人の有力代理人を擁するマネジメント会社がつながっていて、懇意にしている技術委員にプッシュしているからだと言われている。

さまざまな人間の思惑が幾重にも絡み合う、まさに魑魅魍魎とした世界。そのなかで、いまも日の丸サポーターから畏敬の念を送られる元日本代表監督で、ボスニア・ヘルツェゴビナの同郷でもあるイビチャ・オシム氏と親交がある縁がハリルホジッチ氏を手繰り寄せたとされている。

昨夏のワールドカップ・ブラジル大会で優勝したドイツ代表を、もっとも苦しめたのが決勝トーナメント1回戦で対峙したアルジェリア代表だった。魂が込められた堅守と乾坤一擲のカウンター。下馬評では圧倒的に不利とされた一戦で、全員が一丸となった戦いを導いた監督のカリスマ性は、ピッチ外の騒動で羅針盤を失った日本代表に何よりも求められるものだ。

交渉事は一寸先が闇であり、正式に契約するまでは何が起こるかわからない。それでも、現在はフリーであるハリルホジッチ氏が日本サッカー界の救世主として、そして稀代の戦術家として指揮を執る姿を、できるだけ早く見てみたい。

【THE REAL】百花繚乱と化した次期日本代表監督候補…魑魅魍魎が跋扈した舞台裏を探る

《藤江直人@CycleStyle》

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