日産とともにルマン挑む松田次生…「速さを見せつつ、まずは経験値を増やしたい」

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松田次生は待望のルマン挑戦機会を得た。
松田次生は待望のルマン挑戦機会を得た。 全 8 枚 拡大写真

2月28日に実施された日産/ニスモの2015年モータースポーツ活動計画発表会。登壇した昨年のGT500チャンピオン松田次生は、自身初参戦となる今季のルマン24時間レースに向けての意気込みも語っている。

今季の日産/ニスモといえば、やはり最大の注目点はWEC(世界耐久選手権)およびルマン24時間へのワークス参戦開始であろう。悲願の総合優勝を目指すルマンには、1999年以来のワークス参戦になるが、すでにFFのハイブリッドレーサーであるLMP1クラス参戦車「Nissan GT-R LM NISMO」を発表しており、独創的なコンセプトで話題を呼んでもいる。

日産のLMP1に関する開発拠点は米国だが、日本のニスモからもエンジニア、メカニックらが送り込まれて開発に従事。FFというユニークな発想について、車両開発に携わるニスモの最高経営責任者・松村基宏氏は「コクピットが後ろにいくことで、車両前部の空力自由度が上がる」と、狙いの一端を語り、「ミッドシップ基本のレギュレーションなので“前”に関しては(規則が)ゆるい面がある。ライバルとは違うアプローチで」とも語っている。実戦でトヨタやアウディ、ポルシェといった総合優勝争いのライバルたちとどんな戦いを見せてくれるのか、今から楽しみだ。

そして、昨シーズン自身初のGT500チャンピオンを獲得した松田にとっては、今季はGT500連覇を目指すと同時に、ルマン24時間に「Nissan GT-R LM NISMO」で初挑戦するという、ドライバー人生におけるエポックメーキングな年となることが決定済み。07~08年にはフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)で2年連続チャンピオンになるなどの実績も誇る35歳だが、これまでは時代に恵まれない部分もあって、なかなか世界本格進出の機会がなかった。それだけに、今回のルマン挑戦にかける想いは強い。松田はファンに向けて、次のような決意を語った。

「日産のルマン復帰とともに僕自身がこのチャンスを得られたことに、まず感謝したいです。こういうチャンスだけに、『結果を出しにいきたい』とは当然思いますが、とにかくルマンのコースは特殊だとも思いますので、それなりの速さは見せつつも、まずは今までの自分にないところの経験値を増やしていって、来年、再来年へとつながるような戦いをしたいと考えています。日本からの応援、よろしくお願いします」

なお「Nissan GT-R LM NISMO」はWEC全戦に原則2カーエントリー。WEC第3戦にあたるルマン24時間に関しては3台に体制を拡大し、その3台目の車両に松田が乗り組むこととなっている。

現在までに公表されている日産のルマン参戦ドライバー(最大9名)は7名で、マルク・ジェネ、オリビエ・プラ、ハリー・ティンクネル、ヤン・マーデンボロー、ミハエル・クルム、ルーカス・オルドネス、松田という顔ぶれ。このうちオルドネスと松田は当面ルマンのみの参戦となる見込みだが、通常6人体制が予想されるWEC(ルマン以外)での起用法の詳細等は未発表だ(残り2名ともども後日発表となる)。開発主担のクルムは今季、SUPER GT前半戦を欠場して、WEC~ルマンに専念する(SUPER GTには第4戦以降KONDO RACINGから参戦予定。それまではオルドネスが代走する)。

2015年のWECは3月27~28日のフランス・ポールリカールにおける公式テストでキックオフとなり、開幕戦は4月12日決勝のシルバーストン6時間レース。第3戦ルマン24時間は6月13~14日が決勝だ。そしてシリーズ第6戦(10月11日決勝)は富士スピードウェイが舞台であり、日産を含む4大メーカーの決戦が日本のファンの眼前でも展開されることとなる。

《遠藤俊幸》

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