惜別フィーバーの前哨戦?…『トワイライト』記念入場券を買ってみた

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高級感のある厚手の台紙。縦が30cmほどもある大型だったが持ち帰り用の袋が用意されなかったため、あわててブリーフケースを買ってしまった。
高級感のある厚手の台紙。縦が30cmほどもある大型だったが持ち帰り用の袋が用意されなかったため、あわててブリーフケースを買ってしまった。 全 6 枚 拡大写真

3月12日発の運行が最後となる、大阪~札幌間の臨時寝台特急『トワイライトエクスプレス』。引退を記念した入場券セット「Twilight Express 北海道Final Run 記念入場券」が2月28日に発売された。

発売場所は、『トワイライトエクスプレス』始終着駅の札幌駅と、北海道内の停車駅である南千歳・苫小牧・登別・東室蘭・洞爺の各駅。全駅の発売数は3000セットで、最多の2000セットが用意された札幌駅では、あらかじめ待機場所に指定されていた北口通路に早朝から長蛇の列ができていた。

2014年10月4日に「ありがとう711系(復刻塗装)記念乗車券」が発売された際も北口通路で並ぶ光景が見られたが、今回は、その時の比でないほど購入希望者が殺到。西コンコースや駅のショッピングモール「パセオ」の西側通路にまで列ができていた。

JR東日本が「東京駅開業100周年記念Suica」の発売で混乱を招いた影響もあったのか、JR北海道では列の整理や警備に万全を期していたようで、特に大きな混乱はなかった。当初、発売は8時開始を予定していたが、駅構内の混乱を回避するためか、20分前倒しの7時40分から開始された。

札沼線(学園都市線)の上り一番列車でやってきた私が列に加わると、ほどなくしてカウンターを持ったJR北海道の社員が現れ、購入希望セット数を1人1人に尋ねて回っていたが、この時点で800セット程度と言っていたので、1人あたりの購入セット数上限の5セットで換算すると、すでに150人を越える徹夜組がいたことになる。

もちろん駅の閉鎖中は構内で待機することはできないので、北口通路のドアには入場口を指示する紙が貼られていた。ここ数日は暖冬傾向の札幌とはいえ、朝は0度を下回る気温になるだけに、徹夜組にとっては厳しい購入待ちになったのではないだろうか。なかには、本州方面からこの入場券セット発売にあわせて鉄道旅行に訪れたというファンもいて、『トワイライトエクスプレス』に対する注目度がいかに高いかが伺えた。

11時を過ぎると、完売のアナウンスが流れていたので、入場券セットは3時間余りでソールドアウトになったと思われる。購入した入場券セットは、光沢のある厚手の三つ折り台紙が付いた立派なもので、『トワイライトエクスプレス』の簡単な歴史や運行ダイヤが書かれていた。

購入時は台紙とD型硬券8枚(うち2枚は記念券)が別々に渡され、硬券は台紙の右側に付いたポケットに自分で収納するようになっていたが、ポケットの口が券のサイズぎりぎりのため、無理に入れようとすると肝心の券を折り曲げてしまうのではないかとひやひやしてしまった。欲を言えば、「撮り鉄派」の私にとっては、入場券の図柄になった走行写真の撮影区間を記載してくれたらよかったのに……とは思ったが。

折しも2月28日は、京成電鉄3300形の引退と重なり、あちらは大変なことになっていたようだ。3月12日の札幌駅が少し心配になってきたが、くれぐれも混乱のないように最後の『トワイライトエクスプレス』を見送りたいものだ。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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