JAL機長が語る「B777のコックピット」…横風着陸時の姿勢は“カニと片足”で[フォトレポート]

航空 企業動向
操縦ホイールをまわす船越機長。「手動で操縦ホイールやラダーペダルを操作し、まっすぐに飛ぶ状態にしたあとにトリムスイッチを操作して手を放してもまっすぐに飛ぶように調整します」(日本航空) 羽田空港内JALメインテナンスセンター1(M1ハンガー)
操縦ホイールをまわす船越機長。「手動で操縦ホイールやラダーペダルを操作し、まっすぐに飛ぶ状態にしたあとにトリムスイッチを操作して手を放してもまっすぐに飛ぶように調整します」(日本航空) 羽田空港内JALメインテナンスセンター1(M1ハンガー) 全 24 枚 拡大写真

日本航空は2月25日、羽田空港内JALメインテナンスセンター1(M1ハンガー)を公開。同社777運航乗務部・機長の船越篤氏は、「横風時の着陸は、横歩きするカニをイメージした進入方法で、ラダーなどで姿勢を修正しつつ、ショックをやわらげながら接地する」という。

着陸時、飛行機は滑走路に沿ってまっすぐ入ろうと姿勢を整えるが、横風などがあると機体が流れてくる。こうした横風着陸(cross-wind landing)について、船越機長は、「流れている川をわたるのと同じ。横風着陸では一般的に、翼を水平にしたまま機首を風上側に向けて飛行するクラブ(crab)という姿勢で進入する」と話す。

JALでは、横風着陸の場合、高い高度でクラブをとりながら進入し、接地直前にスリップ(slip、風上側にバンクをとって横すべりしながら機首を滑走路に正対させる方法)に移り、機首を滑走路に正対させ、風上側の車輪から接地するという。

船越機長は「風上側の脚で接地すると、ショックが大きく乗り心地にも影響するので、それをやわらげるためにラダー(方向舵)で細かく修正している」とも話していた。

接地時の機軸方向と滑走路の角度は5度までという目安があるといわれるが、JALでは「最終的には機長判断。機長が安全な着陸ができないと判断すればそれ以下の角度であっても着陸復行(着陸やり直し、go-around)する」という。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
  5. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る