【スマートエネルギーウィーク15】下水から水素を作り出す、期待のプロジェクト…三菱化工機

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下水バイオガスによる水素生成を利用した水素ステーションを中心とする、水素リーダー都市プロジェクトのプラント模型
下水バイオガスによる水素生成を利用した水素ステーションを中心とする、水素リーダー都市プロジェクトのプラント模型 全 2 枚 拡大写真

現在のところ、燃料電池車の燃料である水素は、天然ガスから作り出されている。つまり水素生成は、化石燃料由来でCO2ゼロでもないから、厳密に言えばエコでクリーンとは言い難い。

もちろん技術的には太陽光パネルで電力を作り出し、水から水素を取り出すことも不可能ではない。しかし、それよりも現実的な方法として検討されているのが、下水から水素を作り出すことだ。FC EXPOの三菱化工機ブースには、そんな下水バイオガスによる水素生成プロジェクトが展示されていた。

これは国土交通省の下水道革新的技術実証事業であり、同社と豊田通商、福岡市、九州大学の産学官による共同研究として福岡市中部水処理センターで行われている。仕組みとしては、下水を浄化処理する際に発生するメタンガスから水素を取り出し、圧縮して隣接する水素ステーションで燃料電池車に充填するというもの。カーボンニュートラルで、しかも二酸化炭素も効率良く回収できるものとなっている。

三菱化工機の説明員によればすでにプラントは完成しており、この4月からは試験運転に入り、実証実験を開始すると言う。同社は、これまで国内の水素ステーションを設計、建設およびメンテナンスしてきた経験を活かし、この下水バイオガス水素燃料プロジェクトにおいてもプラントの設計と建設を行うようだ。

全国におよそ2000箇所ある下水処理場のうち300箇所にはバイオガスを発生させることのできる浄化槽が設置されていると言う。そこに、この水素生成プラントを建設すれば、全国に300拠点のオンサイト型水素ステーションが作れることになる。しかもクリーン。是非とも実証実験を成功させて、早期の実用化を実現してほしいものだ。

《高根英幸》

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