スバルSTI 辰己総監督、3年ぶりのニュル優勝へ「1周9分を切る速さ必要」

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4日、富士でサーキット初走行を実施した「SUBARU WRX STI」の15年ニュル24時間レース参戦車。
4日、富士でサーキット初走行を実施した「SUBARU WRX STI」の15年ニュル24時間レース参戦車。 全 8 枚 拡大写真

4日に富士スピードウェイで今季のニュルブルクリンク24時間レース参戦車をシェイクダウンしたスバル/STI。3年ぶりのクラス優勝を目指す辰己英治総監督は、今季型「SUBARU WRX STI」で「1周9分を切るタイムを目指す」決意を語っている。

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今季型ニュル24時間レース参戦車を、昨年型からの全方位的な見直しに基づいて開発するなかで、辰己総監督は「昨年の問題点が中高速コーナーでのアンダーステアだった」ことの解決も含め、空力性能の向上を特に重視した旨を語る。その向上度合いの手応えを簡潔にまとめると、「昨年と同じダウンフォースを出した場合に、ドラッグ(空気抵抗)は昨年より少ない」。これは「直線スピードも重要になる」というニュル24時間のレース特性にも活きる良さであり、いいかたちで開発が結実しつつあるようだ。

STIのニュル24時間参戦車のラップタイムは、毎年上がってきている。08年当時と昨年では約50秒(約8パーセント)のタイム短縮を実現しており、年々戦いのレベルが上がり着実に進化しているのだが、昨年はライバルの向上がさらに上をいっていたこともあり、クラス4位に敗れた。これは11~12年にSTIがクラス連覇した結果、アウディを中心とする地元欧州勢がさらなる本気モードに入ったことの影響でもある。戦いのレベルは、今年もさらに上がるだろう。

「今年は予選で1周9分を切るマシンにしなくてはいけないと思います。9分を切れるマシンで、レースを9分10秒くらいで走れるようになれば、ドライバーもチームも(戦い方の)余裕度が違ってきますから」。昨年はこの余裕度のなさ(少なさ)が接触やペナルティを呼び込む敗因であったとの分析から導き出されるターゲットだが、もちろんライバルあってのことなので、1周何分何秒の速さなら充分かは分からない。いずれにしても一層のレベルアップが必要なことは間違いなく、そのための努力を辰己総監督たちは続けている。

「ドライバーがより乗りやすいクルマ」であることも重視されて開発された今季型「SUBARU WRX STI」。このマシンにかける想いに関しては、13年から監督を務めており“監督初優勝”を目指す小澤正弘氏にも強烈なものがある。小澤監督は「もともと我々の武器であった信頼性、耐久性、安定性で再びライバルを上まわり、そして性能(速さ)でも彼らの上をいくことを目標として開発をしてきました」との旨を語り、辰己総監督同様に王座奪還への強い意欲を示した。

そしてマシン開発以外の面でも、陣営は万全を尽くして王座奪還に突き進んでいる。ニュルを熟知したティム・シュリックをドライバーラインナップに加えただけでなく、“さらなるニュル対策”として、24時間レースの直接の前哨戦「クオリファイングレース」(4月開催)への出場を企図しているのだ。

これまでも24時間レース本番前にVLN(ニュルブルクリンク長距離選手権シリーズ)のレースには1~2戦出場してきたSTI陣営だが、今年はVLNに加え、「より長い時間、ニュルでの実戦経験を積めますから」(辰己総監督)というクオリファイングレースにも参戦し、一層のニュル習熟を果たそうという構え。王座奪還に向け、確実にポジティブな要素である(同時にニュルの難しさを再確認させられるところでもあるが)。

今年のニュル24時間は、5月16~17日にかけて決勝レースが開催される日程。スバル/STIでは例年同様、公式サイト等を通じてのライブ情報&映像配信で、世界中のファンと一体になった挑戦を展開する予定だ。

《遠藤俊幸》

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