2022年の自動変速機市場はDCTがシェア2割、中国は5割超…シェフラー予測

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ホンダ フィットハイブリッドにはシェフラー製DCT技術が採用されている(資料画像)
ホンダ フィットハイブリッドにはシェフラー製DCT技術が採用されている(資料画像) 全 10 枚 拡大写真

ドイツのサプライヤー、シェフラーは世界の自動変速機生産シェアにおいて、2022年までにDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が20%超のシェアを獲得する見込みを明らかにした。とくに欧州で400万台、中国では600万台という生産規模になるとみており、それぞれのシェアは4割超、5割超となる見込み。

シェフラージャパンの自動車事業部トランスミッションテクノロジー技術部の金哲中(キム チョルジュン)氏は、「当社は『LuK(ルーク)』ブランドでCVTのコンポーネントや乾式/湿式DCTのシステムなどを手がけている。2008年、VW向けに世界初の乾式7速DCT(DSG)を生産開始して以来、2010年にはフォードの「パワーシフト」、フィアット(現在ではフィアット・クライスラー)グループ向けに「DDCT」、ルノー向けには「EDC」といった乾式DCTを供給し、DCTの生産は1000万台に達している」と説明。

日本でも、2013年に登場したホンダ『フィット』を皮切りに、『ヴェゼル』『ジェイド』などのハイブリッドモデルや、2月に発表されたばかりの『レジェンド』で同社の技術を採用している。同社では、DCTとハイブリッドシステムとの融合にいち早く着目し、「2004年にマイルドハイブリッドのシステムを組み合わせたデモで14%の燃費向上を、また2006年にはフルハイブリッド機構と組み合わせた試験モデルで20%の燃費向上を果たした」(金氏)と述べ、これらの先行研究の成果が現在の実績に結びついていると説明する。

フィットハイブリッドはモーターを組みこんだ乾式7速DCTを採用し、当時のカタログ燃費トップだったトヨタ『アクア』を上回る36.4km/リットルのモード燃費を達成。また先の2月に発売されたレジェンド向けには大トルクに対応するため湿式とされハードウェアも強化品となっているが、基本構造はフィット用を踏襲。リアモーターの駆動力と合わせてシステムトータル出力382ps、トルクは47.2kgmという5リットル級V8エンジンに迫るパワーと16.8km/リットルという2.5リットル4気筒エンジン並みの好燃費を両立した。

同社の予測によれば、日本では2013年には数万台に過ぎなかったが、2022年には80万台前後まで生産が拡大すると見込んでおり、国内自動車メーカーへの提案をさらに強化する考え。このため、国内R&D設備も移転・拡張することもすでにアナウンス済みだ。

シェフラージャパン代表取締役の四元伸三氏は「われわれの役目は、日本の技術と欧州の技術の架け橋となること。今後も日本のお客様との関係づくりから新たなテクノロジーを生み出して行きたい」と述べる。

《北島友和》

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