【ホンダの汎用エンジン】カセットガスで動く耕うん機、操作はあっけないほど簡単

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ホンダ サ・ラ・ダ CG FFV300
ホンダ サ・ラ・ダ CG FFV300 全 20 枚 拡大写真

本田技研工業は3月6日、ツインリンクもてぎにおいて、メディア向け「ホンダ汎用エンジン搭載製品体験取材」を実施した。

ホンダ製品として体験用に用意されていたのが『サ・ラ・ダ CG FFV300』(20万5200円)と『ピアンタ FV200』(10万7784円)の2台の耕うん機であった。この2台は、燃料にカセットボンベのガスを利用するのが特徴だ。家庭用のカセットコンロ用として広く流通しているカセットガスを燃料とすることで、ガソリン燃料と比べて、入手・保管・利用などが大幅に簡単になっている。

最初にサ・ラ・ダ CG FFV300のハンドルを握った。こちらは、100坪(約330平米)までの畑を対象にしたもので、ホンダの耕うん機としては中型のモデルとなる。最高出力1.2kW(1.6PS)の57.3cc空冷4ストローク単気筒OHVエンジンを搭載。最大耕幅45cm、最大耕深約16cmの性能を備える。1本のカセットガスで最大50分ほどの連続運転が可能だという。

ロープを一気に引いてエンジンを始動。タタタタという軽快なエンジン音は、それほど大きくない。アイドリングする耕うん機の前でも会話は可能なほどだ。変速レバーは、中立を中心に、Cの字のようにガイドがあり、上段が耕うん作業、左が後進、下段が前進走行となっている。

まずは、前進走行を試す。クラッチレバーはハンドル上部に、ハンドルと平行に幅広い握り手になっており、左右どちらの手でも操作できるようになっている。握り込むとクラッチがミートし、レバーを放せばクラッチもリリースされる。変速レバーを1速に入れて、ハンドルに付いているクラッチレバーを握りこむ。飛び出すようなそぶりもなく、ゴトゴトゴトと、耕うん機はゆっくりと前進を開始した。

走行用の車輪があるため、走行は安定している。一旦停止させて、変速レバーを作業に。クラッチを握り込んで、再びスタート。ゴトゴトという振動は大きくなるが、耕うん機は、ゆっくりと前進。直進性もよいため、操作する人間は、耕耘機の後をついていくだけだ。

方向転換は人力となる。走行用のタイヤにはデフが装備され、直進時はロック、旋回時はフリーをレバーで選択する。レバーを旋回に入れてから、ハンドルを下に押し、前輪を浮かせて向きを変える。総重量は54kgほどのサ・ラ・ダCG FFV300だが、体重をかけながらやることで、ほとんど力むことなく簡単に方向転換ができた。

続いては小型のピアンタ FV200を試す。こちらは、最大耕幅35cm、耕耘爪直径25cmで、30坪以下の畑が対象の耕耘機で、ホンダのラインナップでは最小クラスとなる。エンジンは最高出力1.1kW(1.5PS)の49.4cc空冷4ストローク単気筒OHV。総重量が20kgほどで、クルマでの運搬を想定したキャリーボックスが用意されている。家庭菜園などで利用する入門モデルと言っていいだろう。

こちらも始動はロープを引いて。遠心クラッチ方式なので、アイドリングで耕うん爪は動かない。こちらのモデルは、走行用の車輪はなく、耕うん爪が耕しながら前進する方式だ。車体の後ろ側に棒が延びていて、この棒で地面を引っ掻くことで、スピードを調整する。ハンドルにはスロットルレバーがあり、握り込むと遠心クラッチがミートして、耕うん爪を回し始めるという仕組みだ。

車体の後ろの棒を地面に食い込ませて、スロットルレバーをめいっぱい握り込む。ダダダダと耕うん爪の回転が始まると同時に、耕うん機本体が上下に動き出す。中型のサ・ラ・ダCG FFV300よりも、動きは大きい。しっかりとハンドルを握っていないと、あらぬ方向に飛び出していきそうだ。

車体後ろの棒を地面に食い込ませる調整は、耕うん機の前後バランスで行う。ハンドルを押し下げれば、後ろ側が下がって棒が地面に食い込み、前進スピードが遅くなる。逆にハンドルを上げれば、車体後部の棒は地面から離れるため、前進する力が強くなる。直進性は、中型モデルほど高くないので、ハンドルをしっかりとキープする必要がある。しかし、逆に旋回などは簡単であった。最初は、動きが大きいので、びっくりしたが、すぐに慣れることができた。

耕うん機を動かす経験は、これまでほとんどなかったが、2モデルとも、ほんの数分で操作を覚えて、狙った場所を耕すことができた。あっけないほど、2モデルの扱いは簡単であったのだ。操作に関していえば、ほとんど力もいらないので、女性や高齢者でも問題はないはず。一番、大変なのは、クルマから耕うん機を下ろすときではないだろう。また、ほんのりとガスの燃えるような臭いがしただけで、目に見えるような排気ガスもなかった。このクリーンさも、カセットガス式の魅力となるのだろう。

《鈴木ケンイチ》

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