【マツダ ロードスター 試乗】育てがいある、車重990kgのすっぴんロードスター…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダ ロードスター 新型(量産試作車)
マツダ ロードスター 新型(量産試作車) 全 15 枚 拡大写真

4代目となるND型『ロードスター』をついに公道で試乗した。今回の試乗車は先行量産車(量産試作車)と言われるもので、ほぼ今後発売されるモデルと同じと考えて問題のない仕上がり。もちろん、正式にナンバーを取得したものだ。

NDロードスターのグレード展開は「S」のモノグレード設定。そのSに「スペシャルパッケージ」と「レザーパッケージ」という2つのパッケージオプション車が存在する。パッケージオプション車は6MTと6ATが用意されるが、もっともベーシックなSは6MTのみの設定となっている。

いわば、すっぴん状態のSは、なんと車重が990kg。いまどき1トンを切る1.5リットルモデルなんて、かなり珍しいものといえる。初代ユーノスロードスターが940kgだったことを考えれば、NDロードスターの軽さを想像できるだろう。

じつはこのすっぴんロードスター。徹底した装備の簡略化が行われていて、ボディ強化部品であるトンネルブレースバーやLSDなども省略されている。この2つの装備が装着されないことで、Sはゆったりとした動きを持つクルマとなっている。たとえば、高速道路のレーンチェンジでも、ステアリングを切ってからクルマが動くまでにわずかなラグがあり、それが結果としてゆったりとした動きとなって体感できるのだ。ATモデルも同様にこの2つの装備をもたないため、ハンドリングに関しては似たような動きを示すはずだ。

ロードスターに搭載された1.5リットルのエンジンは、自然吸気で131馬力を発生する。ダウンサイジングターボのように1リットルあたり100馬力を超えるようなパワフルさはないが、持てるパワー&トルクを使い切って走る感覚はなんとも気持ちいい。

その使い切り感をさらに演出してくれるのがMTのギヤレシオ。NDロードスターのギヤ比は6速を直結(1.000)としたクロスレシオタイプで、シフトアップによるエンジン回転の落ち込みを抑えて、つながりのいい加速を実現しているのだ。ただ単純に6速を直結にしただけだと、全体的なギヤ比が低くなってしまい、燃費に大影響を及ぼしてしまうので、最終減速比を2.866とかなり高く設定しているのが大きな特徴となっている。

ロードスターの場合、クルマをカスタマイズして楽しむオーナーも多い。そうしたオーナーはスペシャルパッケージやレザーパッケージを買わずにこのすっぴんロードスターを買うことが多いだろう。そして、必要ならばトンネルブレースバーを部品として注文して取り付け、メーカーが用意しているトルセンLSDではなくクラッチ式LSDなどを装着するなどして楽しむことだろう。また思い切ってAT用のファイナルギヤを装着する強者も出てくるかもしれない。

果てしなく、奥深い発展性を期待できるのがSグレードなのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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