【マツダ ロードスター 試乗】装備満載のスペシャルパッケージは走りもシャープ…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダ ロードスター 新型(量産試作車)
マツダ ロードスター 新型(量産試作車) 全 12 枚 拡大写真

4代目となるND型『ロードスター』の先行量産車(量産試作車)による公道試乗会。MTモデルはもっともシンプルな「Sグレード」と、そのSに多くの装備を追加した「Sスペシャルパッケージ」の2種に用意された。

Sスペシャルパッケージは7インチモニターやフルオートエアコン、レインセンサーワイパーなど多くの快適装備のほか、トンネルブレースバーやLSDなど走りのアイテムもプラスされる。またSでは設定のないi-ELOOPやi-stopといった燃費向上アイテムも装備可能。試乗車はi-ELOOPとi-stopまで装着されていて、標準のSに比べて40kg増しの1030kgの車重となっていた。

低く配置されたシートに滑り込むように乗り込み、クラッチペダルを踏み込んでスタータースイッチを押すとエンジンが目をさます。クラッチ操作に必要な踏力は適度。重ければ疲労を生み、軽ければ操作の確実性を欠くが、それもない。クラッチのミートタイミングも計算されつくされていて、じつに絶妙なタイミングでクラッチがつながる。

発進から軽々と加速するとメーター内にシフトアップをうながす表示が現れるが、これは燃費を重視したタイミング。街乗りではこの表示にしたがって走るのがいいが、ロードスターを楽しむのならレッドゾーンの7500回転までエンジンを回してシフトアップしていくのがいい。タイムを計っていないので正確ではないが、速さを求めるのなら7000回転シフトのほうがよさそうだが、楽しむならやっぱりレッドゾーンまで回したい。

シフトレバーは左手をスッとおろした位置にある。シフトストロークは短く、手首をコックさせるだけで小気味よくシフトチェンジが決まる。いわゆる吸い込まれ感のあるシフトで、シフトアップ時はコツンと感じる部分にまで動かしてやればあとはスッとレバーが吸い込まれる。

6速を直結(1.000)としたギヤ比を採用するNDロードスターのミッションは、シフトアップによる回転の落ち込みも少なく、スムーズな加速が可能だ。NDロードスターはほかのマツダ車同様にオルガン式のアクセルペダルを採用するが、シフトダウン時のヒールアンドトゥもやりやすい。運転するための手足の操作すべてがスムーズにストレスなく行えることが、NDロードスターの運転の楽しさをさらに演出する。

トンネルブレースバーとLSDが装着されたスペシャルパッケージは、ハンドリングにシャープさが増している。標準タイプのSではステアリングを切ったあとにリヤタイヤが反応するまでに若干の遅れを感じたが、スペシャルパッケージは、前後のタイヤの動きに一体感があって、ピシッと動く。今回はワインディングでの試乗はかなわなかったが、ワインディングでのればその魅力はさらに増すこと間違いなしとなるはずだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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