製造数わずか6台という『セルジオ』のモーターショーデビューが注目されたピニンファリーナ。しかし他にも興味深い「乗り物」が展示されていた。それはセルジオと同様に限定生産される、電動アシスト自転車の新モデルだ。
43ミラノは大量生産するのではなく、職人が腕をふるったハンドメイドのビスポーク(テーラーメイド)モデルのみを手がけているユニークな自転車メーカー。いくつか用意されている基本モデルに顧客ごとの要望を反映させることで最終商品となる。
その基本モデルのひとつに『ピニンファリーナ』があるのだが、それに電動アシストユニットが追加され30台を限定生産されるのが『ピニンファリーナ・フォリゼリエ』だ。「ピニンファリーナのDNAによる、伝統と革新の完璧な融合」だという。
クロモリ鋼管フレームの一部にはウォールナット材がコーティングされ、ハンドルとサドルにはフィレンツェの皮革製品ブランド、ザ・ブリッジによる編み革を採用。これはかつてピニンファリーナがデザインした「1936年型ランチア・アステュール・ボッカ」から着想を得たものだという。
電動アシストユニットはZEHUS社製だが、コンセントから充電するのではないところがユニーク。定常走行時やブレーキング時の回生だけで充電する「Bike+」というシステムを採用。メカニズムは後輪ハブ内にすべて収まるコンパクトさを持つ。まさに「伝統と革新の融合」だ。
またピニンファリーナのブースではこうした「乗り物」のほか、ブラジル・サンパウロの高級マンション「シレラ」や、スイスの時計ブランド、BOVET(ボヴェ)の限定生産モデルも展示。ピニンファリーナのデザイン業務の多様性を見せるディスプレイだった。