はたらく男女のストレス胃腸に「乳酸菌飲料」が効くことが実証

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「健康意識とストレスに関する調査」
「健康意識とストレスに関する調査」 全 6 枚 拡大写真

 4月からの新生活にストレスを感じる人がいるだろう。ヤクルトが、ビジネスパーソンの健康意識とストレスとの関係を調べており、同時期に「ビフィズス菌を含む飲料の継続摂取が機能性消化管障害を改善」する研究成果を発表した。

●こんな人はストレス度が大きい

 ビジネスパーソンはどのようなストレスの解消法、対処法を持っているのか。「健康意識とストレスに関する調査」ではビジネスパーソンの仕事上でのストレスの実態、食生活や健康意識を探るとともに、設問の一部では約30年前にヤクルトが実施した「サラリーマンの快便度調査」とも比較した。

 「健康意識とストレスに関する調査」の調査対象は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の上場企業に勤務する20~50代男女800人(各年代・性別に100人ずつ)、調査実施日は2015年1月24日~25日、でインターネットで調査 した。「サラリーマンの快便度調査」は都内の上場企業勤務の20代~50代男性400人を対象に、1984年6月、調査票による留置き法で実施した。

 2015年の調査では、ビジネスパーソンの84.3%が「ストレスがたまる」と答えた。ストレスが多い世代は、女性は20代(90.0%)、男性は40代(88.0%)。 30年前の男性ビジネスパーソンでストレスがたまるのは65.3%だったので、ストレスがたまりやすい人は増加している。

 男性ビジネスパーソンの4人に1人が「職場の人間関係」に悩みあり(25.0%)と答えており、30年前(8.0%)の3倍以上に増加した。なかでも1日11時間以上労働、週5日以上残業、睡眠時間5時間以下、上司から週3回以上叱られる人は、ストレス度が大きい。

 また、ストレスがたまることがあるビジネスパーソンの6割(60.1%)が、胃腸にトラブルあることがわかった。日頃の予防策として「何もしない」人も3割(30.1%)おり、ストレスで胃腸に症状が出たときも、4人に1人は「何もしない」(26.2%)で我慢している。

●原因不明の「機能性ディスペプシア」を改善する

 消化器内科を受診する人の約半数が罹っていると言われるのが「機能性ディスペプシア」だ。本疾患は生命への影響はないものの、生活の質(QOL:Quality of Life)の著しい低下を招き、重症者では仕事にも支障をきたす。

 ヤクルトは2015年1月29日に、「ビフィズス菌を含む乳酸菌飲料の継続摂取が機能性消化管障害患者の消化器および心理症状を改善」する研究成果を発表した。

 潰瘍や炎症などの異常がないにもかかわらず、食道や胃腸などの消化器に痛みやもたれなどの不快な症状が慢性的に続く症状のことを「機能性消化管障害」と言い、この中で胃に症状が現れるのが「機能性ディスペプシア」、略称FD(functional-dyspepsia)だ。2013年に保険病名を獲得した。患者数は推定で1500万~3000万人いると考えられる。

 機能性消化管障害は、器質的な病変や血液生化学検査において異常が認められないことから、自覚症状の改善が重要となる。FDの原因にはストレスや胃酸の出過ぎ、胃の運動機能の異常・知覚過敏などが考えられているが、はっきりしないことが多く、治療法も確立していない。FDには食生活や生活習慣が影響することから、治療の一環として、食事、運動、睡眠、ストレスなどを改善する生活指導も取り入れられている。

●脳と消化器がお互いに影響し合う?

 ヤクルトの「ビフィドバクテリウム ビフィダム YIT10347」(以下、B.ビフィダム Y株)は胃に効果が期待できるプロバイオティクスとして、これまでにピロリ菌抑制効果、胃粘膜傷害抑制効果、ピロリ菌陽性者における胃不定愁訴改善効果などが報告されている。

 そこで、B.ビフィダムY株を含む飲料の継続摂取が、機能性消化管障害患者の消化器および心理自覚症状に及ぼす影響を調べるため、ヤクルトは東邦大学医学部と共同で臨床試験を実施した。一般的なビフィズス菌は、酸素があると生育できない偏性嫌気性なので腸にしか生息できない。B.ビフィダム Y株は、胃の中で効果を発揮しやすいように、胃粘膜への接着性が高い菌種を選び出し、強化培養により酸素耐性を強化したプロバイオティクスだ。

 研究では、FDを含む機能性消化管障害の重症な患者を対象に、B.ビフィダムY株を含む飲料を1日100ml(B.ビフィダムY株の個数は10億個以上)、4週間毎日飲んでもらった。その結果、腹痛、下痢、便秘、胃もたれなどの消化管の不快な症状が改善され、飲用中止4週間後もその効果が持続していることがわかった。 また、イライラや活気など心理的な自覚症状も改善された。

 今回の研究を担当したヤクルト中央研究所宮崎幸司(※)部長は「被験者には改善効果に喜んでいただけた。QOLの向上に役立つことがメリットです」と語る。同じくヤクルト中央研究所の五味淳指導研究員は「脳と消化器がお互いに影響し合う“脳腸相関”、“脳胃相関”がうかがえます」とコメントしている。※崎は旁の上が立。

 今回得られた結果から、B.ビフィダムY株によって心理ストレスであるイライラ感を軽減し、胃腸の不快感を改善することで、機能性消化管障害患者のQOLの向上に役立つものと期待される。

ストレスと機能性ディスペプシアとビフィズス菌と

《高木啓@RBB TODAY》

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