【スズキ アルト ターボRS 試乗】日本の道を楽しむために生まれたジャストサイズスポーツ…諸星陽一

試乗記 国産車
アルト ターボRS
アルト ターボRS 全 21 枚 拡大写真
『アルト』のスポーツモデルである「ターボRS」グレードの試乗を箱根のワインディングロードで行った。マニュアルミッション車は存在せず、ロボATのAGSのみの設定となっている。

ターボRSに搭載されるエンジンは64馬力/10.0kgmのスペック。ミッションは前述のとおりロボATのAGSを採用する。このAGSは標準タイプのアルトと同じものだが、通常モードとなるDモードで20%、さらにスポーティなマニュアルモードでは30%シフトスピードの短縮化が図られている。

走り出しから力強いフィーリングを表してくれるターボRS。Dモードのままでの自動的なシフトアップ時は若干の遅れを感じるが、これでクラッチ操作なしに走れるのであれば流すドライブにはピッタリだなという印象。マニュアルモードに切り替えると、ピシッ、ピシッとシフトアップが行われていき、スポーティな走りができる。

このAGSで感心させられるのはマニュアルモードでスポーティに走っているとき。多くのATはマニュアルモード時にエンジン回転がレッドゾーンに近づくと、上の段にシフトアップしオーバーレブを防ぐようになっているが、このAGSはギヤは固定したまま、レブリミッターが働きエンジン回転を上げない方式。これだと高回転を保ったままコーナリングを行うことができる。

ワインディングでの走りはキビキビ感にあふれたもの。AGSは通常のATやCVTとくらべてずっとダイレクトにトルクを伝えるので、アクセルワークに対するクルマの動きがはっきりしていて気持ちいい。エンジン回転が高い状態でのコーナリング中は、アクセルワークによって若干ながらクルマの向きを変えることができる。

スズキは『ジムニー』で「軽自動車でなくてジムニーに乗る」という気持ちをユーザーに与えることに成功したが、アルトターボRSは同様に「軽自動車に乗るではなくアルトターボRSに乗る」を実現できるクルマ。なにしろ日本のワインディングで走りを楽しむにはサイズ、エンジンパワーがピッタリなのだから。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★


諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  4. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  5. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る