ハリルジャパン「初弾」放った岡崎慎司…その強さの3つの理由

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岡崎慎司(2015年3月27日)
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ゴールを決めるためにピッチに立つ。フォワードというポジションを任されるサッカー選手の大多数が描く「目的」と「手段」の関係が、日本代表の常連である岡崎慎司(マインツ)の場合は逆になっている。

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「ゴールを決めることは、次の試合に出るためのアピールだと僕は思っているんです」

■国際Aマッチ出場90試合、42ゴールをマーク

27日に大分銀行ドームで行われたチュニジア代表との国際親善試合。後半27分から投入された岡崎は、その6分後に0対0の均衡を破る先制ゴールをゲット。バヒド・ハリルホジッチ新監督が初めて指揮を執った一戦を勝利に導き、新体制下における初得点者として自身の名前を刻んだ。

これで国際Aマッチ出場90試合にして42ゴールをマーク。往年の名ストライカー釜本邦茂氏の「75」、キングこと三浦知良(横浜FC)の「55」に次ぐ日本歴代3位という数字に、もちろん誇りを感じている。

それでも、岡崎の関心はFWでは史上初となる3桁到達を視界にとらえた出場試合数にどうしても注がれてしまう。

「ゴールを決めてきたからこそ、これだけの試合に出られたと思っている。日本代表として試合をすることに単純に喜びを感じるんです。だから、もっともっと伸ばしていきたい」

チュニジア代表戦に臨む先発メンバーは、前夜に行われたミーティングでハリルホジッチ監督から告げられた。ワントップに指名されたのは、これが代表デビューとなる25歳の川又堅碁(名古屋グランパス)。ベンチスタートとなった岡崎は、落胆するどころか武者震いを覚えていた。

「これ(競争)を望んでいたので。もう一度全員にチャンスが与えられるべきだし、そうじゃないと経験できないことがいっぱいある。その代わり自分も練習や試合に出たときには、常に厳しくいきたい。そういうチーム作りに参加していきたいですね」

戦いの場をドイツへ求めて5年目。その間にJリーグで台頭してきたストライカーたちを、岡崎は常にチェックしてきた。インターネットを通じて、ときには岡崎よりも遅れてブンデスリーガに移籍してきた日本人選手たちから詳細な情報を入手してきた。

アルビレックス新潟でプレーした2013年シーズンに23ゴールをあげて、大ブレークを果たした川又もその一人だ。ワールドカップ・ブラジル大会をともに戦った大迫勇也(現ケルン)や柿谷曜一朗(現バーゼル)たちへも、海の向こう側から熱い視線を送ってきた。その理由は何なのか。

「フォワードのレベルは上がっているし、みんな特徴がある。その部分で競えるのはすごく楽しいので」

後輩たちの成長を自らへの刺激としてきた岡崎も、来月で29歳となる。ハリルホジッチ監督に招集された8人のFW陣では最年長となったいま、心に決めていることがある。

「(若い選手が)いろいろと聞いてくれば、そのときには自分が体験してきたことや海外のことを話したいですね。僕も伝える側になったと思うし、そういうところを知ることで成長して僕を超えていってほしい。そのうえで僕がまた超えていくのが一番いい形なので」

■ストライカーにこだわり夢を追いかけた

岡崎のサイズは174cm、76kg。フォワードとして決して大きくはないし、どちらかといえば鈍足だったこともあって、兵庫県の強豪・滝川第二高校に入学するときも、3年後の2005年に清水エスパルス入りするときにも周囲から反対された。

プロ1年目の序列は8人いたFWの8番目。長谷川健太監督(現ガンバ大阪監督)から右サイドバック転向を打診されたこともあるが、岡崎はストライカーにこだわり、少年時代からの夢を追いかけた。

「僕は昔から世界に出ることを考えていました。いつかは世界ナンバーワンのストライカーになりたいと、無謀にも考えてきたんです」

中学時代の恩師から贈られた「一生、ダイビングヘッド」をいまも座右の銘としている。闘志と勇気を前面に押し出したプレースタイルに少しずつ「引き出し」を加え、一人、また一人とライバルを追い抜き、年代別の日本代表にいっさい無縁だった雑草から岡田ジャパンの常連にまで上り詰めた。

迎えた2010年。ワールドカップが開催された南アフリカで最大の屈辱を味わわされる。開幕直前の戦術変更に伴い、ワントップのレギュラーを本職ではない本田圭佑(現ACミラン)に奪われた。同じ1986年生まれながら常に先を走られてきた本田に対する、偽らざる本音を岡崎自身から聞いたことがある。

「うらやましいというのもあるし、同時に悔しいというのもある。やはり意識します。同期の存在というのは大きいですね」

以来、ライバルたちのなかに本田も加えられた。どのようにすれば差を詰められるのか。相手の最終ラインの裏へ抜け出すための術や駆け引きを覚えて、ザックジャパンでは2列目の右サイドで必要不可欠な存在となった。もちろん、それで満足することなく、ワントップに求められる前線でのボールキープ術も体に叩き込んだ。

■プレッシャーと責任を負わないといけない

自分自身に「競争」の二文字を課してきたサッカー人生への自負を込めて、岡崎は日の丸を背負ってプレーする誇りを説く。

「ピッチに立った選手がレベルの高いサッカーをしなきゃいけないし、プレッシャーと責任を負わないといけない。それほど厳しい場所だというものを見せないといけない」

チュニジア戦で存在感を示した先制点は、左サイドから本田があげたクロスに対してファーサイドからジャンプ一番、マークについた187cmの相手DFよりも打点の高いヘディングを見舞った。岡崎との交代でベンチに下がっていた川又は唸るしかなかった。

「決めるかどうかのところで決めるのはさすがだなと。チャンスをものにできるというのは積んできた経験やポジショニング(のよさ)だと思うし、そういう部分ではすごいですね」

実はザックジャパンの第1号ゴールを決めたのも岡崎だった。2010年10月8日にリオネル・メッシを擁する強豪アルゼンチン代表を沈めた一撃だったが、岡崎は笑って受け流した。

「そういうことに、まったくこだわっていませんでした。それよりも、やはり勝たないことには先へ進めないし、次も誰が出るかわからないと監督も言っている。こういうピリピリ感をずっと欲していた。ここから再び厳しい競争が始まるので、だからこそ試合に出場し続けていきたい」

壮大な夢を追いかけ続ける、永遠のサッカー少年のような無垢な心。いまも初心を貫き通す、いい意味での愚直さ。自身を成長させるライバルを求め続ける貪欲さ。現役最高のストライカーたらしめる要素を岡崎がもちあわせていく限り、遅かれ早かれ、日本代表での出場試合数よりもゴール数に眩いスポットライトがあてられるときが訪れるだろう。

カズのゴール数を抜くのはどの試合になるのかと――。

【THE REAL】ハリルジャパン第1号得点者…岡崎慎司を現役最強ストライカーたらしめる3つの理由

《藤江直人@CycleStyle》

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