大人から女子中学生まで楽しめるモトクロスレース…HERO'S アダルト

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中学生モトクロスライダーのミサキさん(オートスポーツ清水)
中学生モトクロスライダーのミサキさん(オートスポーツ清水) 全 22 枚 拡大写真

年間9戦開催されるモトクロスレース「2015HERO'S アダルト」。3月29日には、その第3戦が埼玉県川越市にあるモトクロスヴィレッジにて行われ、100人以上の参加者が集まった。

こういった比較的気軽なサンデーレースが、いま人気を集めている。

主催する「ヒーローズ」の代表・森内さんは「若い頃に目を三角にして全日本モトクロス選手権など上を目指して切磋琢磨していた経験者らが、大人になったいま今度は、もっと楽しみながらレースをしようというのが、コンセプトです」という。

たしかにスターティンググリッドに並ぶライダーは、お父さん世代が大半を占めている。

しかし年齢こそ30、いや40~50歳を超えるライダーも見かけるが、そのテクニックは相当なもの。10~20代の頃を思い出して、熱いレースが繰り広げられているから驚く。

もちろん、2ヒート制のレース方式や乗るバイクは、MFJが主催する地方選手権、あるいは全日本選手権と同等の純レーサー。

公道走行のできない最新のモトクロッサーで、過激ともいえるジャンプやタイヤを滑らせてのコーナリングを鮮やかに決めている。

そんなお父さん世代に混ざって、そのお子さんたちもまたレースにエントリーしているのが、「HERO'S アダルト」の面白いところ。

中学生のミサキさん(オートスポーツ清水)は「まわりにモトクロスをやっている人がたまたまいて、自分も初めて見ようと思いました。いまはまだ全日本レディース選手権といったトップクラスのレースには出ようと思いませんが、こういう大人たちのレースなら楽しく安全に走れます」という。

また、お父さん世代の白石さん(Tilt Racing)は、「和気あいあいなムードがいいんです。パドックではライバルであっても工具を貸し借りしたり、走りのアドバイスをしたり、とにかくみんなジェントルマン。それでもレースが始まれば真剣そのもので、モータースポーツの醍醐味はちゃんとある」と、笑顔で話してくれた。

モトクロス初心者も臆せず参加できるよう工夫を凝らしているのも、また特徴。

通常のクラスは技量によって細かく分けられているが、「お試しクラス」というエントリー費無料(保険代2000円)の、はじめてモトクロスレースを体験する人向きのクラスも開設し、好評を得ている。

モータースポーツというと敷居が高いイメージがあるが、ビギナーも参加できるこういったサンデーレースが裾野を支え、門戸を広く構えている。こういったレースが盛況なのは、バイクファンにとっては嬉しいかぎりだ。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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