【バンコクモーターショー15】スズキ、新商品で新需要を掘り起こせるか?

モーターサイクル 新型車
スズキGD110HU
スズキGD110HU "RETRO SPORT STYLE"(バンコクモーターショー15) 全 15 枚 拡大写真

2輪メーカーのブースに外部ショップによるカスタマイズモデルが並ぶのは、バンコクショーおなじみの光景。スズキは今年1月にタイで発売したばかりの『GD110HU』のカスタマイズモデルを展示した。

この単気筒110ccモデル、タイ市場では新顔だが、まったくの新モデルというわけではない。中国やフィリピン、パキスタン、それにインドネシアといった多くの新興国で、実用モデルとしてすでに販売されているものだ。タイには中国で生産されたものが導入されている。

普及グレードではリアキャリアも装備されるなど、質実剛健といったイメージを持つGD110HUだが、スペシャリティ感覚を増す純正アクセサリーもラインナップ。カスタマイズモデルは、そうしたイメージをさらに強調する狙いがある。

ボバーやカフェレーサー、ダートトラッカーといったスタイルが違和感なく表現できるのは、クレードルフレームを持つ車体ならでは。アンダーボーンフレームではレイアウトが異なり、雰囲気を似せることしかできない。

ここ数年のタイでは大型スポーツモデルの市場が急拡大中だが、当然ながら一般大衆が容易に手を出せる価格のものは存在しない。小型でも安価なスポーツモデルならば若者でも購入しやすく、カスタマイズを楽しんでもらえるのではないか、というわけだ。

それにしても、GD110HUのタンクやサイドカバーの形状は、日本の年配ライダーの郷愁を誘いそうだ。1982年に日本で発売された2気筒モデル『GSX400E』、『GSX250E』によく似ているのだ。

この2車種には「カタナ」のサブネームが与えられていたが、400は4気筒モデル、250はより過激な2ストロークモデルの影に隠れてヒットとはならなかった。このころの日本では中・小型モデルでもスペック競争が激しさを増し、間もなく「レーサーレプリカ」の時代が到来する。

新興国でも所得水準が上がり続けると、いずれは80年代の日本のように、小排気量モデルも実用品から「趣味の乗り物」としての存在感が大きくなってゆくのだろうか?

《古庄 速人》

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