【ランドローバー ディスカバリースポーツ 試乗】日本のミニバンも、もうちょっと考えないと…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
ランドローバー ディスカバリースポーツSE
ランドローバー ディスカバリースポーツSE 全 12 枚 拡大写真

ランドローバーで一番小さく、プレミアム・コンパクトの位置づけになるが、ここは日本。横幅1895mmでコンパクトと言われてもなあという気分である。

それでも、日本でも人気の『イヴォーク』とのデザイン的な差別化を図るため、マジメさをかもし出す塩味系な顔は悪くない。最低地上高は210mm。アゴにはしっかりとガードをつけ、見た目も実力も完璧なるオフロード系である。

1725mmという全高で堂々たる体躯の中に乗り込むと視界は開け、気分が盛り上がる。エンジンをオンにすると、ぐにゅ~と生えてくるシフトレバー、いや、シフトダイヤルも、すでにランドローバーでは見慣れた景色とはいえ、乗るたびにわくわくさせてくれる。9ATという、ついにここまで!な多段ATは、なめらかで、速度や欲しいトルクに対して確実にギアを選んでいく。

でも、圧巻なのはコーナリングだ。この車高、SUVゆえやわらかいはずのサスペンションのくせにロールしない! よれない! なんだこれは、の水平移動なのである。体はねじれないわ、ハンドルはきりやすいわ、頭の位置が変わらないから視線はぶれないわで、こんな大きくて重いクルマだってのにコーナリングが楽しいったらありゃしない。これなら後部座席にいるこどもたちがクルマ酔いすることも少ないだろう。

舗装中心の生活者としては、砂やマッドに切り替えられる足回りがオーバースペックで申し訳ない気分になるけれど、塗れた路面のゼロ加速で思い切りアクセルを踏んだときも、スイッチを「雪」に入れておけばがっしり路面をつかんですべらないのは、安心極まりない。通常は5人乗りなのに、オプションで3列目のシートもつけられるし、使い勝手やインテリアの質感もいいし、日本のミニバンは、ちょっと考えないといけないんじゃないの?って気分にさせてくれる一台である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る