【ホンダ S660 試乗】潔さが生んだ類まれなドライビングファン…日下部保雄

試乗記 国産車
ホンダ S660
ホンダ S660 全 16 枚 拡大写真

ホンダでなければ作れない軽のピュアスポーツ。2人の乗員を運ぶためのパッケージングは潔く運動性能のために追及されている。

クイックだが過敏でないハンドリング、後輪のグリップは高く、ミッドシップレイアウトにありがちな限界域での危うさはなく、どっしりと安定した姿勢はドライバーに限りない安心感を与える。ステアリングの応答性は確実で、グイグイと曲がっていくし、その操舵力の変化も少なくこの点でもドライバーに安心感を与えてくれる。

6速マニュアルは軽く節度を持ってシフトでき、ドライビングの楽しさを堪能させてくれる。CVTの7速パドルシフトはマニュアルほどのダイレクト感はないが、限られたパワーを効率よく伝えるし。2ペダル派にも不満はないだろう。

「Nシリーズ」をベースとした『S660』専用エンジンはレスポンスの良いターボと組み合わせて、切れ味が鋭い。トルクもあるので、ストップ&ゴーの多い市街地でもイージーゴーイング。またワインディングロードでのエンジンパフォーマンスも十分で、マニュアルシフトを駆使して、あるいはパドルを操作して、小気味よく駆け抜ける。

S660のもう一つの美点は乗り心地が良いことだ。もはやガチガチに固めたレーシングカーのような足は近代的なスポーツカーにも似合わない。

そしてウィンドウシールドが前方なのでオープントップで頭上空間の広がりはなかなかだ。手荷物は工夫して積むもの。2人乗車ではちょっとした旅行荷物も置くところはないので、きちんとした計画を立てることが重要になる。その代り類まれなドライビングファンが手に入る。

■5つ星評価
パッケージ:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★

日下部保雄|AJAJ会長/モータージャーナリスト 
大学在学中からモータースポーツに参戦し、卒業後は専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起などの分野で、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、WEBにおいて活動。またその経験を活かした講演、研修などに携わる。ドラインビングインストラクターとして、安全運転のためのドライビングスクールを主宰するなどの実際面からの安全へのフィードバックも行っている。2006年よりAJAJ会長に就任。

《日下部保雄》

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