【ホンダ N-BOXスラッシュ 試乗】カッコだけじゃない、軽の常識を越えた走り…松下宏

試乗記 国産車
ホンダ N-BOXスラッシュ
ホンダ N-BOXスラッシュ 全 11 枚 拡大写真

『N-BOXスラッシュ』というと、単に『N-BOX』のルーフを切ったカッコだけのクルマだと思っている人が多いかもしれない。でも違うのだ。N-BOXスラッシュを走らせると、軽自動車の常識を越えたケタ違いに良いクルマであることが分かる。このクルマの良さは半端ではない。

いやN-BOXスラッシュの良さは走り出す前に乗り込んだ瞬間に分かる。デッドニングというオーディオ用の補強をしたクルマだったこともあり、ドアを閉じた瞬間に外界の騒音からしっかりと遮断されるからだ。まるで高級車に乗り込んだかのようだ。

静粛性の高さは走り出してからも変わらない。エンジン音などはほとんど進入してこないから、とても静かで快適なドライブが楽しめる。この静粛性があるからこそ、サウンドマッピング装着車は、走るオーディオルームとして優れた音響空間を成立させているのだ。

ターボ仕様のエンジンを搭載したモデルの走りは相当に良い。ルーフを切り詰めたことでやや軽くなったボディを余裕で引っ張っていく。しかも操縦安定性にも優れている。重心高が低くなって横転リスクが下がり、コーナーなどでもとても安定感のある走りを示す。乗り心地と操縦安定性のバランスは軽自動車の中でトップと言っても良い。

ほかに電気式のパーキングブレーキが採用されたことや、テーマごとにいろいろな仕様が用意される内装の設定なども魅力の要素となる。とにかくN-BOXスラッシュはとても良いクルマである。

問題は価格だ。出来の良いクルマである分だけ価格はどうしても高くなってしまう。ターボ車はオプションも含めたら200万円を大きく超えるような予算で買うクルマになる。

大きめの登録車から軽自動車にダウンサイジングする年配のユーザーなどには、ぴったりとはまるクルマになると思うが、若いユーザーが飛びつくクルマにはなりにくいかも。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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