【シトロエン グランドC4ピカソ 試乗】カタログ燃費上回る経済性も、MPVの資質キチンと…島崎七生人

試乗記 輸入車
シトロエン グランドC4ピカソ エクスクルーシブ
シトロエン グランドC4ピカソ エクスクルーシブ 全 9 枚 拡大写真

普段使いでこのクルマを試乗してみると、つくづく感じるのが“日常の中の非日常”ということ。たとえばタクト(指揮棒)のような細身のセレクターレバーひとつとっても“使うことを楽しませてくれるデザイン”だったり。気持ちの遊びを忘れない。

とはいえ、いかにもユニークそうなクルマながら、MPVの資質はキチンと押さえている。とくに“心地いい系”の乗り心地はおおいに魅力だ。導入時の試乗会では、あえて16インチタイヤの個体を選び乗ったが、今回、17インチの「エクスクルーシブ」を選択。が、懸念された乗り味への影響がないばかりか、高速直進安定性など魅力に感じたほど。単に見栄えだけでなく、キチンと性能もみた上でのインチアップだ。

洒落たデザイン、色調、風合いのファブリックシートも、座るほどに身体に馴染む。脱着可能な大型センターコンソールボックス、2列目床下の収納スペース、合理的な折り畳み機構の3列目など、実用前提の装備、機能も使いやすい。

可動式シェード付きフロントウインドの開放感は、やはり他車では体験し得ないもの。実は我が家内は陽射しや風を理由にオープントップのクルマがあまり得意ではない。が、このクルマの明るく快適な室内に関してはOKだったようだ。

それとお伝えすべきは燃費のよさ。試乗は最大で2名+月齢5か月の柴犬1頭で行なったが、300km弱の走行で、カタログ燃費(14.6km/リットル)を上回る15.6km/リットル、高速走行が主体の区間では18.6km/リットルの好成績だった。いずれも満タン法で、神経質な運転はとくに行なわずの数値。「7人乗りのMPVで1.6リッターターボはどうなの?」と思われる向きもありかもしれないが、これならば、日常のなかの“いっそう嬉しい非日常”といえると思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  3. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
  4. ホンダ『プレリュード』新型、インドネシアでは「オールブラック」なプロトタイプを初公開
  5. 「日本版より洒落てる」2026年モデルの米国版トヨタ『カローラ』発表に、日本のファンも注目
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る