巡礼基金、加入者からの批判受けTRX内の土地を売却…マレーシア

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシア(イメージ)
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巡礼基金(タブン・ハジ)は、クアラルンプール(KL)中心部で開発される国際金融地区、トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)内の0.66ヘクタールの土地を売却する計画だ。既に複数のバイヤーからオファーが寄せられている。近く審査を行い売却先を決定するという。

巡礼基金のアブドル・アジーズ会長によると、あるバイヤーは1億8,850万リンギでの買収案を提示。巡礼基金はこの土地を1マレーシア・デベロップメント(1MDB)から買収した際に同じ金額を支払った経緯がある。

巡礼基金がTRX内に保有している土地の総開発価値(GDV)は8億2,800万リンギで、開発コストは6億5,050万リンギとなると見られている。不動産部門を通じてTRX開発計画を進める1MDBが巨額の負債に陥っていることなどから、巡礼基金に積み立てを行っている加入者の間で不安感が広がることを避けるために土地を売却するという。

巡礼基金はこれまでに56億リンギを投資に充てている。投資利益はイスラム教徒が巡礼に行く際のコストを補助するのに使われているほか、毎年の配当金支払いにも充てられている。

一方、英字紙「ザ・スター」によると、1MDBはTRXの40階建てのビルとその土地を、10億~12億リンギで公務員年金基金(KWAP)に売却する模様だ。KWAPの本部が入居する予定だという。価格は1平方フィート当たり2,300リンギで、巡礼基金庁の購入価格(2,774リンギ)を15%以上下回る。

千田真理子

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