【新聞ウォッチ】シャープ絶体絶命の窮地…最終赤字2223億円、国内3500人削減

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年5月15日付

●シャープ赤字2223億円、3月期決算、国内従業員3500人削減へ(読売・2面)

●新型スポーツカーフェラーリが披露(読売・13面)

●タカタ製さらに199万台、ホンダとダイハツ(読売・37面)

●石油元売り減産で提携、昭和シェル・コスモ、製油所で生産融通(朝日・10面)

●米でホンダ2車種リコール(毎日・7面)

●トヨタ役員賞与総額は8億円(産経・11面)

●カルソニックカンセイ9%増益、今期最終、北米好調、2.5円増配(日経・15面)

ひとくちコメント

不適切な会計問題が発覚した東芝を除く電機大手7社の2015年3月期連結決算が出そろい、シャープ以外の6社が本業のもうけを示す営業利益で増益を確保。日立製作所と三菱電機は過去最高益で、業績不振が続いていたソニーも復調したという。

こうした中、気掛かりなのは経営再建中のシャープが単体では初の債務超過に陥ったことである。2015年3月期連結決算の最終(当期)損益が2223億円の巨額赤字(前期は115億円の黒字)に陥ったからだ。

しかも、経営の立て直しを図るための今後3年間の経営再建計画(中期経営計画)を発表したが、世界で約5000人、このうち国内で約3500人の希望退職を募集するなどの人員を削減。社員の賃金も2~5%減らし、大阪市の本社は売却するというリストラばかりが目立つ内容だ。

ただ、再建計画では経営悪化の主因の液晶事業などを分社化しただけで、抜本的な再建策は先送り。きょうの毎日は「シャープ、甘い認識」として「業績回復を実現できなければ、さらに深刻な危機に直面する可能性もある」と報じた。

読売も「シャープ見えない将来」、朝日も「シャープ再建見えぬ道筋」とのタイトルで「生まれ変わった後の具体的な姿はまだ見えない」と取り上げている。

また、日経は社説のテーマでも「シャープはなぜ追いつめられたのか」との見出しで「液晶に代わって『会社の顔』となる事業や技術もまだ見えず、どんな企業を目指すのか将来像はぼけている」と指摘。さらに「シャープ再建の迷走ぶりは、他の日本企業にとっても反面教師になるだろう」と警鐘を鳴らす。

電機業界に限らず、今回の決算発表でも同業他社が最高益を更新する中、シャープのように一人負けの企業は、明日は我が身になる可能性もある。

《福田俊之》

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