5年後は「ロボットひとり1台」の時代に!? 宇宙から還ったKIROBO、子どもたちとふれあう

宇宙 企業動向
名古屋市科学館(愛知県)で5月17日に実施された「ロボット宇宙飛行士KIROBO特別公開」のようす
名古屋市科学館(愛知県)で5月17日に実施された「ロボット宇宙飛行士KIROBO特別公開」のようす 全 8 枚 拡大写真

名古屋市科学館(愛知県)に5月17日、約1年6か月の宇宙滞在を経て3月に日本に帰還したKIROBOが登場。その開発責任者で知能化などを担当したトヨタの片岡史憲氏や、躯体開発・デザインを担ったロボ・ガレージの高橋智隆氏らが同席し、子どもたちの“純粋な質問”に答えた。

KIROBOは、身長34cm、体重1kg、音声認識やコミュニケーション動作、顔認識カメラなどを備える宇宙用ロボット。人間に近いふるまいをし、地上での電磁波干渉試験や無重力対応実験などを経て、「こうのとり」4号機で宇宙へと向かった。

宇宙へと渡ったKIROBOは、国際宇宙ステーションに到着し、同エリアで作業中だった若田光一氏とともに、世界初となる「宇宙でのロボットの発話」に成功。1年半の宇宙滞在のあと、2015年2月にカリフォルニア州ロングビーチの洋上に着水。3月に日本に帰国した。その一声が「地球はまるで青色LEDみたいだった。輝いていたよ」だった。

その2か月後となるこの名古屋イベントで、子どもたちの「宇宙飛行士になるためには?」という質問に、KIROBOは「すっごい勉強するか、ロボットになるしかないね」とアドバイス。ロボ・ガレージの高橋氏は「勉強したくない人は、僕のところに来てくれれば、ロボットに改造してあげる」と伝え、笑いを誘った。

また、高橋氏は、スマートフォンの現状を例にとって、近未来についてこう続けた。「これからは、機械とコミュニケーションの間に、『信頼関係』が結ばれる時代になる。機械や情報の間にロボットが入って、身の回りの機械をコントロールしてくれたり、必要な情報だけを届けてくれるような、豊かな暮らしがやってくるはず。5年以内にそんなシーンがやってきたらいいと考えている」(高橋氏)と。

いっぽう片岡氏は、ロボットと人間との関係について、「インターネットやスマートフォントが台頭したころも、開発陣が意図しないところでユーザーのアイデアが出てきて、暮らしに定着し身近なものになった。それらと同じように、ロボットも、かかわる人たちのアイデアが相乗し、変化と進化を積み上げて、暮らしに溶け込むようになるはず」と話した。

最後に、プロジェクトを推進した電通の西嶋頼親氏は、「銀行などが無人化しロボットが対応するようになると、たいていの消費者はまず“フリーズ”するだろう。この段階で、ロボットとの共存社会に向けて、われわれがKIROBOのようなロボットとトライアンドエラーを繰り返し、培ったノウハウが、どう貢献できるかということも問われているはず」と語った。

《レスポンス編集部》

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