【第54回静岡ホビーショー】世間を騒がせる「ドローン」…最新事情をレポート

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ハイテックのデモフライト(第54回静岡ホビーショー)
ハイテックのデモフライト(第54回静岡ホビーショー) 全 23 枚 拡大写真

首相官邸の屋上に着陸したり、善光寺に不時着したりと、何かとお騒がせの「ドローン」。しかし、静岡ホビーショーで最も熱い注目を集めていたことは間違いない。とはいえ、これ、昨年まではドローンと呼ばなかったものだ。

【画像全23枚】

昨年まで、この複数のプロペラを持つ飛行体は、マルチコプターと呼ばれていた。そもそもドローンと呼ばれるようになったのは、某通販会社がそう呼んだことに端を発しているようだが、制作販売する側としては今もマルチコプターのを使いたい(ドローンが悪者扱いされるケースが多いので)というのが本音のようだ。

◆ドローンは大きく3種類

さて、一口にドローンと言ってもその範囲は広い。ここ1年で大きく盛り上がったのが、トイ・ドローンとホビー・ドローンのジャンル。その上に業務として使えるプロフェッショナル・ドローンの3タイプが存在する。

勿論元々プロフェッショナル・ドローンというのは、単に空撮を目的とする以外に軍事目的のものを頂点に、上を見ればきりがなく、価格も軍事目的となると天文学的で、災害に救援などに使用するものでも数千万円というものもあるという。一方でトイ・ドローンの場合は今回のホビーショーで見る限り、5300円というのが最も安く、数千万円レベルを頂点におおよそその範囲内にあると考えて良い。

では、トイドローンとホビー・ドローンはどう線引きされるのか。あまり具体的ではないが、まずは単に飛ばして遊ぶ範囲のレベルのドローンはトイタイプに属する。サイズも最小タイプと呼ばれるものは直径46mm程度と極めて小さい。このレベルだと高くても数千円のレベルで楽しむことが出来る。これらのモデルはGPSを装備していないので、目視の範囲内でしか飛ばすことはできない。例えば、童友社が発売するスパイダー2やヨコモが発売するスカイライン、さらには京商が発売するクワトロックスなどがこの最もベーシックなドローンと考えてよいだろう。

次に、カメラを装着して空撮が楽しめるもの。このジャンルには2種類があり、一つはSDカードに静止画あるいは動画を記録して、機体を回収した後にそれをPCなどで確認しながら楽しむタイプ。この手の場合、安いものでは1万円台前半で手に入る。カメラクオリティーやジャイロの制度などによって値段が上下するようだ。

そしてもう一つはスマホ、あるいはタブレット端末を使用し、機体とwi-fiで通信することで、撮影画像を確認しながら飛行できるタイプ。いわゆるホビー・ドローンというのはこのあたりからと考えて良い。ただし、このジャンルもクロスオーバー化が進んで、トイとホビーの中間的存在のモデルがこのところ出てきているというのも注目点である。

とはいえ、ホビー・ドローンのジャンルもまだ展開が始まったばかりで、今回のホビーショーでも、最も参考出品の品物が多かった。このジャンルですでに販売されているものでは高性能GPSを装備したもので5万円前後のものが多かった。

そして京商がデモフライトをしたパロット・ビーバップドローンは、1400万画素の魚眼レンズを搭載しフルハイビジョンが撮影できる、ホビー・ドローンとプロフェッショナル・ドローンの中間を行くモデルとして注目を集めた。価格もコントローラーをセットした状態で13万0900円+税金と、いきなり10万円を超える。しかし、デモフライトをした京商の係員に聞いたところ、来年あたりはこのジャンルのドローンが主役の座に躍り出るのではないかと話していた。

◆素人でもドローンは飛ばせる?

実際に色々なデモフライトを見ていると、いとも簡単に上昇し、見事に安定したホバリングをしている。そこでラジコンも未経験な、ど素人がドローンをそう簡単に飛ばせるのか。この点をトイドローンを主として扱う童友社のの係員に聞いてみた。曰く、1時間も練習してもらえば、扱えるようになるという。はじめは腰の高さ程度のホバリングを室内で練習して欲しいそうだ。その後徐々に動きの練習をすれば飛ばせるようになるという。ただし、ドローンは風に弱い。元々軽量でそれほど高い推力を持たないので、風に流されてしまうからだ。だから、ドローンを飛ばす時は出来る限り無風の時を選ぶのが良い。

飛行時間は概ね5分から7分前後が多い。異例に長いのが童友社が新たに7月に販売を予定しているホークアイ。ほぼ倍近い15分の飛行を可能にしている点が売りである。

今回のホビーショーで、ドローンを出品していたのは、プロフェッショナル・ドローンを専門に扱うセキド、トイからセミプロフェッショナルまでを扱う京商、トイとホビーを扱うハイテック、そして主としてトイを扱う童友社とヨコモという5社だった。

このうちセキドが扱うのは、基本的にプロが使うDJIという中国のメーカーが作るもの。実はこのDJI社、産業用ドローンの8割近いシェアを誇るトップランナーだそうで、コストパフォーマンスがその最大の魅力。現在セキドが扱うDJIのドローンはファントムと呼ばれるものとインスパイア1と呼ばれるモデルが中心。前者は11万円ほどから16万円ほど。そして後者は35万円ほどから41万円程度と、下位機種ではホビードローンの上級モデルと競合するが、上位機種は最早個人レベルで購入するものではなくなっていて、実際DJIのドローンを購入するのはほとんどが法人だという。

ほぼ、ホビードローンに特化しているのがハイテック社だ。中国のナインイーグル社製のギャラクシービジターと呼ばれる商品を扱う。価格帯としては2万円から3万円前後が中心で、カメラで撮るというよりも飛ばすに主体を置いた商品が多かった。

品揃えが最も充実していたのが京商。定価5980円ながら6軸ジャイロを持つクワトロックスに始まって、最先端技術IOC機能を搭載したクワトロックスシリーズの最高峰のアルファやリミテッド(いずれも参考出品)まで多彩。さらに前出のパロット・ビーバップドローンまで用意される。

トイを中心としたラインナップを持つのが童友社とヨコモ。童友社は既にスパイダシリーズ並びにナノスパイダーシリーズを発売中。さらに7月発売のホークアイ、参考出品のドローン6、そしてマルチコプターの名称を使って発売中のプラズマサンダー、ウルトラサンダーなどこちらも多彩。一方のヨコモはまだ参入したばかりで、価格5300円と最廉価のHMX68を発売中。加えて、さらにコンパクトなモデルを参考出品していた。

専門分野の需要も高まっており、筑波にはドローン専用の飛行場が作られるほど。一方で飛ばす、から撮影する、まで、トイ並びにホビー・ドローンのジャンルにも高い関心が寄せられているのがドローンの現状だ。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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