メルセデス・ベンツは、スペインのビトリア工場で新型電動ミニバン『VLE』の量産を開始した。
メルセデスベンツ VLE
記念式典には、メルセデス・ベンツ・バンズ責任者のトーマス・クライン氏、メルセデス・ベンツ・グループAGの取締役会会長オラ・ケレニウス氏のほか、スペインの産業観光大臣ジョルディ・エレウ氏、バスク自治州大統領イマノル・プラダレス氏も出席した。
ビトリア工場は、メルセデス・ベンツが新たに開発したモジュラー式でスケーラブルな「バン・アーキテクチャ」を採用した車両を初めて量産する拠点となる。このアーキテクチャは今後、個人・商用を問わずメルセデス・ベンツ・バンズの全製品ラインナップの技術基盤となる予定だ。
年末には中国・福州工場でも同アーキテクチャに基づく車両の生産が始まり、中国市場向けに供給される。
■リムジンとMPVを融合した新世代モデル
メルセデスベンツ VLEVLEは2025年3月にワールドプレミアを飾った。リムジンの乗り心地と走行性能、MPVの広さと多用途性を兼ね備えており、最大8席、航続距離700km超(WLTP)を実現する。800Vの新技術による超高速充電にも対応し、幅広い用途に対応できる「グランドリムジン」として新たな基準を打ち立てる。
また、インテリジェントな車載OS「MB.OS」を搭載し、運転支援からインフォテインメント、走行性能まで全領域を統合制御する。
■工場の大規模変革と約5000人の従業員
メルセデスベンツ VLEビトリア工場では、ボディショップ・塗装工場・組立エリアへの大規模投資と、物流・ITインフラの刷新が行われた。これにより、1本のラインで複数のパワートレインに対応できる柔軟な生産体制が整った。変革は『Vクラス』、『ビトー』、『eビトー』の既存モデルを生産しながら並行して進められた。
約5000人の直接雇用従業員は160以上の研修プログラムを通じて新技術・新工程に対応。国内外の資格取得・訓練施策が量産立ち上げの品質と安定性を支えている。
■カーボンニュートラルを実現した持続可能な生産
メルセデスベンツ VLEビトリア工場は2022年からカーボンニュートラル(収支ベース)を達成している。再生可能エネルギー由来の電力、地熱エネルギー、ボディショップと塗装工場からの廃熱を活用しており、新築建物はすべてゼロエミッション建築基準(ZEB)に準拠する。太陽光発電設備も設置済みだ。
2026年秋には、化石燃料を一切使用しない電動式塗装工場が稼働を開始する予定で、従来の塗装工程と比べてCO2直接排出量を大幅に削減できる見込みだ。バッテリー生産を含む技術革新も加わり、VLEのCO2フットプリントのさらなる低減を目指す。




