【人とくるまのテクノロジー展15】加ACS社、飲酒運転撲滅にアルコールインターロック設置を呼びかけ

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アルコール・カウンターメジャー・システム社業務用インターロック責任者のジョン・コルトン氏と同社のアルコールインターロック装置
アルコール・カウンターメジャー・システム社業務用インターロック責任者のジョン・コルトン氏と同社のアルコールインターロック装置 全 2 枚 拡大写真

毎年のように飲酒による痛ましい交通事故が起こっているが、そんな交通事故を撲滅するため装置を展示したのがカナダのトロント市に本社を構えるアルコール・カウンターメジャー・システム(ACS)だ。

アルコールインターロックというのがその装置で、ドライバーの呼気に含まれるアルコール濃度を測定し、設定基準値を超えている場合に車をインターロックして始動できなくし、飲酒運転を未然に防ぐものだ。

同社はその市場で世界をリードしている会社で、1976年に警察用アルコールチェックメーカーとして創立されて以来、さまざまな分野に進出し、現在では車載分野をはじめ、産業分野、警察、公共交通機関などに商品を提供している。

「この市場はまだ小さいですが、ここ数年の伸び率は高く、グローバルで毎年15%ほど伸びています。特に米国、カナダでは非常に広く使われるようになりました。また、欧州では、スクールバスにアルコールインターロックを設置する動きも出てきています。そのほか、南米、アフリカなどでも飲酒運転撲滅のため、徐々に利用されつつあります」と同社業務用インターロック責任者のジョン・コルトン氏は説明する。

ただ、日本については、その普及がなかなか進んでいないそうだ。それは「われわれがこれまで積極的に活動してこなかったこともあるが、日本の取り組みが非常に遅いこともあった」(コルトン氏)。そのため、今後はカナダ大使館や日本の会社と一緒にセミナーなどを開催し、飲酒運転撲滅にインターロックの設置が有効と訴えていくという。

「交通事故のない安全な社会をつくるためには、車にこのような装置を設置していくことも大事だと思います」とコルトン氏。同社では現在、息を吹きかけなくても検知できるアルコールインターロックを開発中とのこと。それは、レーザー光線や顔認証技術を使ったものだという。もちろん、普及のためには導入コストも重要で、「使い勝手や性能を上げながら、コストについてはできるだけ下げていく」という。そのほか、同社には麻薬や危険ドラッグなどをすぐに検知する装置もあり、カナダの警察が導入する日も近いそうだ。

《山田清志》

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