東芝は6月8日、音響技術を用いたコンクリート構造物の検査装置「コンクリート音響探傷システム」を開発したと発表した。
新システムは、指向性スピーカーから検査対象物に向けて可聴音を発生させて、検査対象物の表面に生じる振動速度をレーザー振動計で観測。独自の解析技術を用いてコンクリートの浮き・空洞等の状態を可視化する。
トンネルや橋梁等のコンクリート構造物の検査は、習熟した検査員による打音・目視検査が主流となっており、高所等では足場設置や高所作業車も必要となる。新システムでは、音響技術を用いることで5m以上離れた地点から検査が可能で、検査の習熟も不要。限られた人員を有効に配置して、検査を効率化することができる。
東芝では、老朽インフラの検査機器事業について、「3D画像再構成・変化検出システム」や「溶接部探傷ロボット」などの開発も進めており、今後も同社独自の「検査技術」「モニタリング技術」で、高度なインフラ維持・管理を実現していく。