日食を利用して太陽光が大気中のオゾンへ与える影響を調査 JAXA

宇宙 科学
食時のSMILESの観測の様子。 矢印はSMILESの観測が進む方向を示している。点はSMILESの観測点で、色は高度64km(中間圏)でのオゾン混合比を示している。
食時のSMILESの観測の様子。 矢印はSMILESの観測が進む方向を示している。点はSMILESの観測点で、色は高度64km(中間圏)でのオゾン混合比を示している。 全 2 枚 拡大写真
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の今井弘二研究員と共同研究チームは、日食を利用して太陽光が大気中のオゾンへ与える影響を調査した。

研究チームは、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES)の高精度な観測データを使って、2010年1月15日の日食時、オゾン量の変化を調べた。

この結果、月の影で暗くなっている地域では、明るい地域に比べて、中間圏のオゾン量が多くなっていることが明らかになった。また、その変化の様子は、地表からの高度によって異なっていることも分かった。これまでの観測は、精度が悪く、太陽の明るさが変わることで、オゾン量がどのように変化するのかについての考察ができなかった。

大気中のオゾン量は、さまざまな要因で決まっている。今回の研究は、日食を利用することで太陽光量変化のみが大気中のオゾンに与える影響を示した重要な成果となった。

研究チームは、オゾン量を決める他の要因についても調査を進める。SMILESのデータ解析を進めることで、大気中のオゾン生成と破壊のメカニズムの解明が進み、減少した大気中オゾン量の回復時期について正確な予測ができるようになる可能性がある。

《レスポンス編集部》

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