【BMW S1000RR 動画試乗】日常域から十分楽しく乗りこなせる「超」スーパースポーツ…佐川健太郎

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【BMW S1000RR 動画試乗】日常域から十分楽しく乗りこなせる「超」スーパースポーツ…佐川健太郎
【BMW S1000RR 動画試乗】日常域から十分楽しく乗りこなせる「超」スーパースポーツ…佐川健太郎 全 8 枚 拡大写真

昨年、ドイツ・ケルンで開催された国際モーターサイクルショー「インターモト2014」で発表され、今年から国内導入された2015年型『S1000RR』。今回初となるフルモデルチェンジにより走りのパフォーマンスに一段と磨きがかかった。

最高出力は従来型(国内仕様)から43psアップとなる199ps。車重は4kg軽量化されている。アルミツインスパータイプのフレームも基本構造は踏襲しながらも、キャスター角やスイングアームピボット位置を最適化することでハンドリング性能を向上。よりパワフルかつスポーティで乗りやすくなっているのが特徴だ。

跨って走り出した瞬間、まず感じるのは軽さ。続いて“馴染みやすさ”が五感を通じて体に浸み込んでくる。そのマシンが乗りやすいか、乗りにくいか。もっと言うと好きか嫌いかは、ライダーであれば皆、最初の10秒ぐらいで判断していると思う。人間の感性とは素晴らしいものだ。特にウェットなど路面コンディションが悪くなるほど、それが分かる。

話は逸れたが、その意味で新型S1000RRは実に素直で人懐こい。最初は駐車場の特設コースで試乗してみたが、パワーの出方は穏やかで低速トルクも十分あるし、タイトなターンでも何の気負いもなくフワッと倒れ込んでクルッと向きを変えてくれる。「あれ、こんな簡単だったかな~」と自分の腕が上がったかと錯覚するほど。2009年当時の初期型で感じた、大柄で低速がちょっと気難しく、開ければドッカンパワーという印象が見事に払しょくされている。あいにくの雨でしかも公道という限定条件ではあるが、「たぶんこれは速いぞ」と確信を持てるに十分なフィーリングを新型は伝えてくるのだ。

見た目的にはヘッドライトの左右非対称が入れ替わっていたり、サイドダクトのエラの向きが逆だったり、マフラー形状が変わっていたりマイナーチェンジにしか見えないのだが、新型では電子デバイスを中心とした中身が大幅にアップグレードされている。

「DTC」(トラクションコントロール)はタイヤのスリップ率だけでなく、車体のバンク角や加速度、アクセル開度などもセンシングする最新版に進化。標準装備の3つのライドモード(Rain、Sport、Race)に加え、サーキット専用の「Pro」ライドモード(オプション)も装備され、クイックシフターも従来のシフトアップだけでなくダウンも可能なタイプとなり、サーキットでの戦闘力も確実に向上していると言えるだろう。

ライダーの能力をアシストし、マシンの持てるパフォーマンスを日常域から限界域まで、より安全に自然なかたちで引き出せる方向に進化した新型S1000RR。そんな「超」がつくスーパースポーツなのにグリップヒーター標準装備というところがまたBMWらしい。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
快適度:★★★★
タンデム:★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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